イーブックイニシアティブジャパン(3658 東証マザーズ)

2013/09/13

コミックの品揃えに強みを持つ電子書籍配信事業のパイオニア
競争激化と大手出版社作品の売上高構成比上昇で増益率鈍化へ

業種:情報・通信業
アナリスト:松尾十作

◆独立系の電子書籍配信専業大手
・イーブックイニシアティブジャパン(以下、同社)は、電子書籍配信事業 のパイオニアで、コミックの品揃えは業界最大を誇る。小説などを拡充 して総合電子書籍No.1 を目指している。
・スマートフォンやタブレット端末と言った電子書籍を閲覧できる端末の 普及も追い風となり、電子書籍業界は本格的な成長期に入っている。 大手企業の新規参入により、競争は激化しており、いずれ自然淘汰と 業界再編が予想される。

◆ 14 年1 月期業績予想に変化なし
・14/1 期第2 四半期累計決算は、売上高1,864 百万円(前年同期比 37.7%増)、営業利益229 百万円(同13.5%増)となった。品揃えの拡 充やサービス及び使い易さの改良に伴うコスト増により営業利益率は 前年同期から2.6%ポイント低下した。
・14/1 期業績について、同社は、売上高4,013 百万円(前期比31.8%増)、 営業利益471 百万円(同5.8%増)を見込んでいる。電子書籍配信事業 が順調に推移する見込みだが、版権使用料率の上昇などから利益率 は悪化する見込みである。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、消費税を商品価格に 上乗せしない競合会社対策の値引き及び大手出版社作品の売上増 に伴う版権使用料率の上昇等を勘案した上で、同社予想の達成は可 能と見込んでいる。

◆証券リサーチセンターの中期見通し
・当センターでは、15/1 期以降も増収増益基調が継続すると見込んでい るが、競争激化による新規登録会員数の伸び悩み、大手出版社作品 の売上増に伴う版権使用料率の上昇が続くため、当面は年率10%台 の利益成長にとどまるとの見通しを継続している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。