オイシックス(3182 東証マザーズ)

2013/08/16

業種:小売業
アナリスト:柴田郁夫

1.会社概要
・オイシックス(以下、同社)は、有機野菜や人工添加物を使用しない加工 食品等をネット販売により宅配するサービスを展開している。
・生産者と消費者を結びつけ、安全性や美味しさ等にこだわる高付加価 値商品を手軽に購入できる市場を創造することで高成長を実現している。 13 年3 月に東証マザーズに上場した。

2.財務面の分析
・同社の業績は、会員数の急速な拡大に牽引されて大幅な増収増益を継 続してきた。
・13/3 期は、東日本大震災に起因した会員急増の反動で会員数に若干の 減少があったものの、購入頻度及び購入単価の上昇や、他社の食品EC 事業の受託が伸長したことにより増収増益となった。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本は、社長の高島宏平氏を中心としたマネジメントチーム の高い志のもと、試行錯誤の繰り返しの中で組織内部に蓄積された食品 EC 事業のノウハウや、生産者とのネットワーク、消費者からの信頼などに よって形成され、それが同社の顧客基盤拡大に結び付いている。

4.経営戦略
・同社の経営戦略のポイントは、独自のポジショニングの構築や巧みなブ ランド戦略の他、流通機構に見られる非効率な業界にあえて挑戦するこ とで、他社には簡単に模倣できない競争力を形成したことである。
・今後の方向性としては、スケールメリットの追求により、高付加価値と価格 訴求を両立させることでシェア拡大を目指す戦略と考えられる。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、16/3 期までの売上高の成長率を年率12.0%、 営業利益については同12.7%と予想している。
・主力サービスの会員数拡大と、食品EC 事業のアセットやノウハウを活か した受託事業が同社の成長を牽引するものと思われる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。