リニカル(2183 東証一部)
製薬会社大手の中枢神経系領域などの開発意欲高まりを取り込みへ
前期末受注残は過去最高で、14/3 期業績も2 割営業増益へ
業種:サービス業
アナリスト:松尾十作
◆CRO 事業を展開
・リニカル(以下、同社)は主にCRO 事業を展開している。CRO とは、製 薬会社が行なう医薬品の開発の治験に関わる様々な業務の全て、また は一部を代行、支援する機関を指す。医薬品販売支援(CSO)事業へ は10/3 期に参入した。
◆13 年3 月期は4 割の営業増益
・13/3 期決算は売上高3,599 百万円(前期比15.7%増)、営業利益1,003 百万円(同37.7%増)と大幅増収増益だった。新規案件の受託及び既 存案件の増員の契約の締結によりCRA(治験モニター)の高い稼働率 を維持できたため。受注高は4,786 百万円(同96.2%増)、期末受注残 は4,750 百万円(前期末比35.4%増)だった。受注残の42%を中枢神 経系(CNS)領域、24%をがん領域が占めている。
◆14 年3 月期も営業2 割増益へ
・14/3 期について、会社は売上高4,031 百万円(前期比12.0%増)、営 業利益1,151 百万円(同14.7%増)、経常利益1,144 百万円(同14.6% 増)、純利益687 百万円(同11.4%増)を見込んでいる。事業別売上高 予想や受注高予想の開示はない。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、CRO 事業売上高3,854 百万円(前期比12.4%増)、CSO 事業売上高200 百万円(同18.2%増) を見込み、売上高は4,054 百万円(同12.6%増)、営業利益1,200 百万 円(同19.6%増)と予想する。
◆ 中期的な想定株価は1,206 円~1,447 円
・同業他社との比較からPER 15 倍~18 倍が妥当なバリュエーションと考 えた。当センターの16/3 期予想EPS である80.4 円に基づくと、中期的 な適正株価水準は1,206 円~1,447 円と想定される。