さくらインターネット(3778 東証マザーズ)
2013/06/07
大規模データセンター稼働でスケールメリットを活かしたコスト競争力に強み
業種:情報・通信業
アナリスト:馬目俊一郎
◆双日傘下のデータセンター大手
・さくらインターネット(以下、同社)は国内データセンター大手で、双日の 連結子会社。企業や個人向けにインターネット用サーバを貸し出すホス ティングが主力事業。
・中期的には石狩データセンターの戦力化に注目。スマートフォン普及に よるデータ通信量の増加や、東日本大震災を契機にした大口事業者の サーバ分散の動きなど、同社はこれらを享受すべく、石狩データセンタ ーの増設計画を前倒しで進める方針。
◆13 年3 月期決算は減価償却費負担増で営業微減益
・13/3 期決算は売上高が前期比3.5%増の94.8 億円、営業利益は同 0.8%減の8.6 億円。売上面では専用サーバサービスの苦戦をVPS サー ビスやレンタルサーバサービスでカバーするも、利益面では減価償却費 負担の増加が営業利益を圧迫した。
◆14 年3 月期の会社予想は15.3%営業増益を見込む
・14/3 期の会社予想は売上高が前期比16.0%増の110.0 億円、営業利益 は同15.3%増の10.0 億円。VPS サービスとクラウドサービスなどが売上 高成長を牽引し、利益面では増収効果で減価償却費負担増を吸収する 構え。
◆中期的な適正株価水準は1,200 円を想定
・同業他社より収益性が劣ることから同社の妥当PER 水準は同業他社より ディスカウントの12 倍前後と想定。これに当センターの16/3 期予想EPS 99.1 円を当てはめた同社の中期的な適正株価水準は1,200 円前後と推 察。
一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。