日本社宅サービス(8945 東証マザーズ)

2013/05/07

社宅アウトソーシング市場で業界トップ。新たにホームセキュリティ分野にも参入

業種:不動産業
アナリスト:馬目俊一郎

◆ニッチな社宅アウトソーシング市場で存在感
・同社の主力事業は、企業の社宅管理やマンション管理など、住宅に関 するアウトソーシングサービス。なかでも社宅の受託件数シェアは、同社 推定で業界トップを誇る。
・社宅管理事業は、社宅や寮などの事務管理全般を受託するサービス。 同社自身では賃貸物件を持たず、全国の不動産会社をネットワーク化し た「日本社宅ネット」で顧客企業の多様なニーズに対応可能。その他、福 利厚生業務のアウトソーシングサービス「マーカスさん」のほか、13 年6 月 期にはホームセキュリティ分野の「見守りセキュリティサービス」スタートで 事業ポートフォリオを拡充。

◆第2 四半期決算は先行投資負担で営業減益
・13 年6 月期第2 四半期決算は、売上高が前年同期比0.5%増の30.0 億円、営業利益は同37.7%減の2.0 億円。売上面では社宅管理事業の 一部解約を施設管理事業の修繕工事でカバー。利益面では第2 オペレ ーションセンター整備やシステム投資などの先行投資が収益を圧迫。

◆13 年6 月期の会社予想は減収減益の見通しへ
・13 年6 月期の会社予想は売上高が前期比1.4%減の60.6 億円、営業 利益は同62.4%減の2.0 億円を見込む。
・13 年6 月期は先行投資負担で減益が見込まれるものの、14 年6 月期は 既存事業のストック積み上げに加え、社宅管理事業のマーカスさん拡大 や施設管理事業ののれん償却終了などにより、当センターでは収益モメ ンタムの転換を予想。
・「見守りセキュリティサービス」は、機器販売などのイニシャル売上高は持 分法適用会社に計上されるものの、月額課金などのランニング売上高は 同社に計上されることから、当該サービスの垂直立ち上げには契約件数 の早期積み上げが必須。

◆長期的な適正株価水準は1,000 円~1,300 円を想定
・株式相場の上昇を背景に株価は右肩上がりを続けているが、現在の株 価水準は当センターの14 年6 月期業績予想を織り込んでいない。
・同社の適正バリュエーション水準を予想PER8.0 倍~10 倍と仮定し、これ に当センターの16 年6 月期予想EPS131.5 円を当てはめると、同社の長 期的な適正株価水準は1,000 円~1,300 円のレンジを想定。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。