ドリコム(3793 東証マザーズ)

2013/02/15

3rdパーティのソーシャルゲームプロバイダ大手。外注多用の新作量産戦略から、内製中心の着実な開発・運営体制に回帰、収益は回復に向かっている。

業種:情報・通信業
アナリスト:高坂 茂樹

◆ 2013/3期・第3四半期は内製回帰が奏功し業績が回復
・2013/3期・第3四半期累計期間の業績は、売上高6,342百万円(前期比34.2%増)、営業利益368百万円(同63.6%減)、純利益115百万円(同88.7%減)。第3四半期会計期間(10-12月期)では、売上高2,176百万円(前四半期比3.6%増)、営業利益2億円(前四半期は8百万円の損失)。
・ゲームユーザーのスマートフォンへの移行への対応が不十分であったこと、期初に打ち出した外部協力会社に依存する新作量産戦略が裏目にでたこと、等に対する打ち手が奏功した。

◆ 通期会社予想は上振れを見込む
・会社側の2013/3期(通期)業績予想は、第2 四半期決算発表時の数値を据え置いたもの。単純計算では、第4四半期の売上高が前四半期比 32%減、営業利益は再び赤字となる。
・既存ゲームのWeb View App投入や米国向けネイティブアプリ形式のゲームを投入した成果が表れており、業績は回復傾向に向かっていると考えられる。
・証券リサーチセンターでは、今期会社予想は上方修正が必至と予想する。来期以降の中期業績見通しは、今期の業績予想急落を受けて暫定的に下方修正した。

◆ トップラインの持続的成長が確認しづらい局面
・今期業績予想急落の結果、同社の株価バリュエーションは予想PERをはじめとする伝統的な手法では判断できない。当センターの中期収益見通しより、現在の株価は概ね妥当な水準にあると考える。
・ソーシャルアプリプロバイダの収益は現在、スマートフォンに対応した新作アプリ開発や海外戦略の成否によって、大きく収益が変動する局面にあり、中期的な収益予想や適正株価の判断は困難である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。