シーエスアイ(4320 東証マザーズ)

2013/02/13

電子カルテ業界上位で中小病院向けに強み。M&A と資本・業務提携で事業ポートフォリオを拡大

業種:情報・通信業
アナリスト:馬目俊 一郎

◆ NEC系列で中小病院向け電子カルテに強み
・同社は電子カルテシステムの開発と販売が主力。中小病院向けシステムに強みを持ち、開発や販売ではNECと密接な関係。事業セグメントは「電子カルテシステム開発事業」と「受託システム開発事業」に加え、買収した「その他」の3事業で構成されるものの、電子カルテシステム開発事業が売上高と営業利益の大部分を稼ぎ出す。
・市場環境の変化に対応すべく、電子カルテシステム開発事業とシナジーが見込まれる分野をM&Aと資本・業務提携で強化。12年9月期は通信機器販売や配置薬・健康食品販売のエル・アレジ北海道を子会社化したほか、乗換案内などの駅探を持分法適用会社化するなど、これまでのB to Bに加えB to Cビジネスにも参入した。

◆ 12年9月期決算は計画に対し利益面で未達
・12年9月期決算は売上高が48.4億円、営業利益は3.8億円。連結決算移行で前期比較が出来ないものの、営業利益は会社計画に対し未達。売上面では電子カルテ受注が過去最高水準に達するなど、主力事業が伸張。一方、利益面では外部からの電子カルテ部門システム調達コスト増や、将来を見据えた体制強化などの先行投資負担増が収益を圧迫した。

◆ 13年9月期会社計画は2 桁の増収増益を見込む
・13年9月期会社計画は売上高が前期比19.3%増の57.8億円、営業利益は同12.8%増の4.3億円を見込む。電子カルテシステム開発事業の豊富な受注残を背景に主力事業が業績を牽引する見通し。

◆ 当センターは電子カルテ設置要員の人出不足を懸念
・上記会社計画に対し、当センターでは売上高が前期比12.5%増の54.5億円、営業利益は同9.8%増の4.2億円と計画未達を予想する。この主な要因は、人員不足で電子カルテの設置遅れが懸念されるため。

◆ 中長期的な適正株価水準は810円~1,220円を想定
・・同業他社比較から、同社の適正株価バリュエーションをPER8倍~12倍と仮定。これに、当センターの16年9月期予想EPS101.6円を当てはめると、同社の中長期的な適正株価水準は810円~1,220円が想定される。

>>続きはこちら(987KB)


一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。