株式会社メドレックス(4586 Growth)
紆余曲折からの脱却
ベーシック ・ レポート改訂版
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯
ニッチな市場で独自の技術
メドレックスは、既存の経口薬・注射薬の有効成分を経皮吸収製剤として開発し、製薬会社へ導出(ライセンス供与)、マイルストーン収入や上市後のロイヤリティ収入などを獲得するビジネスモデルの会社である。通常の新薬創薬ビジネスと比較して、既存の薬剤の有効成分をベースにしているため成功確率は高く、ニッチな分野であるため競合も限定され、しかも独自のITLS®技術やNCTS®技術等で差別化されている。また、マイクロニードルという「貼るワクチン」の技術の開発中である。競争力の源泉は製剤の開発力にある。地道に新規パイプライン創出に向けた製剤開発を継続しているからこそ、Alto社との提携が実現し、対象が疼痛から神経疾患にも広がってきた。
紆余曲折から脱却へ
メドレックスの歩みは、紆余曲折の連続であった。リドカイン・テープ剤Lydolyteを巡って、FDAより3度も審査完了報告通知(Complete Response Letter)を受領し、承認が当初の目論見より4年以上遅れることとなった。また、次の大型開発品であるチザニジン・テープ剤(MRX-4TZT)の開発を巡って、導出先のCipla社の方針変更があり、開発が大幅に遅延し、自社開発へ方針変更を図ることとなったうえ、商用生産を前提としたCMOへの製造技術の移転が遅れ、Ph2開始が遅延してきた。しかし、ようやく、リドカイン・テープ剤Lydolyteに関して、FDAから指摘された課題の解析を終え、2025年3月、再申請を行った。9月にFDAから承認されることを期待する。チザニジン・テープ剤(MRX-4TZT)も製造技術の移転が完了し、2025年後半にはPh2開始の予定である。さらに、中枢神経治療薬として期待されるAlto-101経皮剤は、昨年6月から統合失調症による認知障害を対象としたPh2が始まっており、2025年後半にはそのトップラインデータが浮上してくる予定だ。
パイプライン価値は主要3品目で199億円(税前)
メドレックスのパイプライン価値は、様々な前提を置いたうえでの試算であるが、主要3品目(リドカイン・テープ剤、チザニジン・テープ剤、メマンチン貼付剤)の合計で199億円(税前)である。 Alto-101経皮剤は試算の対象としていないが、最大110百万ドルのマイルストーンを受領することが出来る契約であるが、現時点での受取済金額はまだ2百万ドル程度(推定)に過ぎない。2025年から2026年は、紆余曲折から脱却、投資家のコンフィデンスを取り戻し、メドレックスに対する市場の評価も回復していく道程を期待したい。

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