日本ファルコム(3723 東証マザーズ)

2013/01/18

家庭用ゲーム機向けロールプレイングゲームメーカーの老舗。丁寧な作品づくりで固定ファン獲得。業績の振幅は大きかろうが、徐々に収益水準を切り上げていこう

業種:情報・通信業
アナリスト:高坂 茂樹

◆ 2012/9期は新作ソフトが前の期に及ばず大幅減収に
・2012/9期の業績は、売上高1,271百万円(前期比19%減)、営業利益341百万円(同36%減)、純利益216百万円(同32%減)。期初会社予想営業利益(250百万円)は超過達成した。
・新作2タイトル投入も11/9期の「碧の軌跡」のヒットには及ばず、19%減収となった。ただ、ダウンロード販売形式の増加やライセンス収入急増で原価率が改善したために営業利益の落ち込みは軽減された。

◆ 2013/9期は「軌跡」シリーズ新章投入等で収益回復へ
・会社側の2013/9期業績見通しは、売上高17億円(前期比34%増)、営業利益5億円(同46%増)、純利益3億円(同38.4%増)。売上高は11/9期を上回り過去最高、営業利益は当該期(533 百万円)に次ぐ水準へ。
・「軌跡」シリーズ最新作は前作上回るヒットを見込む。今期よりPS3に主なプラットフォームを移行、解像度高め顧客満足図る一方、既存作のリマスター版も投入。また内外各社との連携によるソーシャルアプリ展開、海外展開にも従来以上に注力へ。
・証券リサーチセンターでは、今期会社予想は概ね妥当と判断するが、新作タイトルの販売動向を合理的に予想することが困難なため、売上高は保守的に予想した。同社は中期的に一進一退を繰り返しながら徐々にピーク売上・利益を切り上げるという見方を継続する。

◆ 急回復予想に市場の反応薄いが、現在の株価には割安感も
・現在の予想PER7倍台は、会社予想業績に確信が持てない投資家心理を反映したもの。同業者に比べ収益性、安全性に良好、予想PERは低水準である。
・過去5年間の<期末株価÷当期実績EPS>で算出されるPERは7~26倍、平均14倍。これと当センター予想EPSから導出される2~3年後の適正株価は38,100~44,900円。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。