GCC経営™分析レポート:日特建設株式会社(東証プライム 証券コード:1929)
GCC経営™分析よるターゲット株価1,688円の1年以内の達成可能性

2023/06/02

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
本田泰三

国土強靭化と環境負荷を低減により安全・安心な国土造りに貢献
 日特建設株式会社(以下、日特)は、ダムの基礎処理を創業工種とし、現在は法面
工事とダム基礎工事でリーディングカンパニーとなっている。地震や台風・豪雨などの災害が頻発する日本では、国土強靭化および減災化への対応が必要であり、温暖化対策のためのエネルギー変換と CO2 削減や環境汚染対策のための産業廃棄物抑制や、脱プラスチックなどの課題も山積している。また、建設市場は、政府支出による公共事業として安定成⾧をつづけており、特に維持補修工事市場はインフラ更新期の到来と国土強靭化のため、インフラ再構築が必要なる地域を除き成⾧市場として注目される。日特は、こうした環境において、非都市部土木と都市土木による災害に強い国土づくりと、環境負荷を低減できる技術の開発と適用により、安全・安心な国土造りに貢献していく。

ITとヒトへの投資により土木建設特有のコストを圧縮し収益性向上
 成⾧市場の補修工事市場では、独自の材料を保有している会社が有利であり、一部を
除き各社横並びの状況にある。一方で、すべての工事においてリピーターの創生につながるのは、技術提案力⇔営業渉外力⇔施工実現力の3要素であり、これらの強化が重要とな
る。土木建設は建築事業と比較して労働集約的であり、現場での作業が大前提となる。
ITとヒトへの投資と、ダム事業由来の技術力や全国の営業ネットワーク等の強みを活用した、非都市部土木+都市土木の総合力強化やオリジナルの材料開発によるブランド確立と商社機能強化により、コストを圧縮し収益性向上を図る。中期経営計画2023において目標ROICの設定を行っており、今後の開示も期待される。

ROIC15%という高い収益力の1年以内の評価がターゲット株価達成の条件
 株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2」参照)」で試算し、さらにROICとWACCと企業価値とPBRの関係(「6. 参照資料」参照)から1年
後に達成可能な株価について試算した。結果として、株主価値は865億円、現状の時価
総額の約2.1倍と推計された、また日特の2024年3月期のJPR推計値ベースによる
ROIC/WACCとPBR、企業価値の関係からターゲット株価は1,688円と試算された。
ROICとWACCについては、東証が今年3月31日において、「資本コストや株価を意識した
経営の実現に向けた対応等に関するお願い」に言及され重要性の認識が高まっている。日
特のIR活動の強化により日特の高い15%程度のROICが認識されれば1,688円の株価
(現状株価比アップサイド1.75倍)は、1年以内に達成される可能性もあろう(本文「イ
ンベストメントサマリー」参照)。

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TIW/ANALYST NET
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