フォーバルテレコム(9445 東証マザーズ)
光ファイバ回線を仕入れ、IP 電話、インターネット接続等の情報通信統合サービスを中小企業向けに提供。激しい顧客獲得競争のなか付加価値サービスで差別化狙う
業種:情報・通信業
アナリスト:高坂 茂樹
◆ 不採算事業分離等により2013/3期・第2四半期は収益回復信
・2013/3期・第2四半期(累計)の業績は、売上高5,894百万円(前年同期比11.0%減)、営業利益161百万円(同42.7%増)、四半期純利益77百万円(同48.3%増)。期初の通期会社予想に対する進捗率は、売上高46%、営業利益41%、純利益35%であった。
・売上高は、ARPUの弱含みによる課金収入減が続いていることや不採算事業の譲渡により2ケタ減収となった。しかし営業利益は想定通り回復している。不採算事業分離や直販部門の経費見直しの効果に加え、課金請求システムのOEMや自社開発装置の拡販も貢献している模様だ。
◆ 代理店拡充とIP統合ソリューションで顧客基盤拡大を図る
・通期会社予想は期初公表値から変更されず、売上高129億円(前期比 4.2%減)、営業利益390百万円(同20.6%増)、純利益220百万円(同 23.9%増)である。このうち売上高はショートする懸念が表明された。
・同社は代理店拡充による顧客基盤の拡大と、新たな装置開発やスマートデバイス用アプリの開発等によるIP統合ソリューションの提案により、来期以降に課金収入の反転増加を狙う戦略を推進する意向を示した。
・証券リサーチセンターでは、今期会社予想は概ね妥当と判断するが、来期以降もARPUが弱含む傾向は続くと考え、中期見通しの売上高を下方修正。利益面は採算改善策を評価し、前回予想を変更しない。
◆成長性回復を確認できるまで、現行水準の株価が妥当と判断
・今上半期決算発表で、利益回復に向けた施策が妥当であることは確認できたが、売上高の持続的な成長に向けた施策については、十分な効果を確認できなかった。
・前回レポートではPER18倍~19倍を妥当なPERレンジと想定し、2~3年後の適正株価は、23,700~26,100円とした。今回も潜在的な利益成長の可能性に期待し、同レベルのPERを追認する。中期利益予想の据え置いたため、妥当株価についても前回見解を維持する。