イーブックイニシアティブジャパン (3658 東証マザーズ)
電子書籍配信事業のパイオニア、成長加速。好決算。
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作
◆ 新規参入もあり電子書籍市場が拡大。業容は順調に推移
・電子書籍配信事業のパイオニア。業界では独立系で国内最大手クラス。
・カテゴリーキラーのコミックの品揃えは業界最大規模で、総合書籍化・シェアNo.1を目指す。
・大手資本企業の参入により、電子書籍市場は活性化。今後、本格的な普及期に入ると予想される。
◆ 2013年1月期第2四半期決算は、会社計画を上回る
・今2013年1月期第2四半期は、売上高1,353百万円(前年同期比 44.0%増)、営業利益202百万円(同22.7%増)となり、会社の期初計画をそれぞれ、12百万円、164百万円上回った。
・この収益の上ブレは、人員採用の遅れに伴う人件費などのコストが、想定を下回ったことにある。
◆ 今通期見通しは変わらず
・今13年1月期業績の会社予想は、期初予想である売上高2、960百万円(前期比36.0%増)、経常利益350百万円(同13.2%)を変更していない。無配も継続予定。
・今第2四半期の業績好調な背景は、電子書籍品揃えの強化、サービス・利便性の向上、会員数の増加と新端末の普及により、メインビジネスである電子書籍配信事業が順調に推移し、収益改善につながった。
・当センターの13年1月期業績予想は会社予想並みとの見通しは変えていない。下期には成長拡大戦略に伴うプロポーションコストを意図的に増やすことも十分に考えられる。したがって現時点では大幅な上方修正は予想していない。
◆ 中期的な想定株価は、2,330~2,910円
・現状の株価は、今来期のPERベースではフェアバリューと考えられる。同社の中長期的な成長力や将来のバリュエーションを考慮すると、今後3年程度のPERは12倍から15倍と想定される。従って、2016年1月期の予想EPSを基準にすると中期的な想定株価は、2,330円~2,910円程度であり、現値に対して上値余地があると考えられる。