クロス・マーケティング (3629 東証マザーズ)
インターネット調査の大手で、大規模モニターを駆使した調査に強み
業種:情報・通信業
アナリスト:馬目 俊一郎
◆ インターネット調査を基盤にスマートフォン関連を育成
・同社はインターネットによる市場調査を主力事業に、スマートフォン向けサイト構築などを行っている。事業セグメントはインターネット市場調査及び付随サービス提供の「リサーチ事業」と、スマートフォン向けサイト構築・運営やアプリ開発の「ITソリューション事業」の2事業。
・リサーチ事業の最終顧客は一般事業会社や公共機関など多様だが、受注形態や販路によって自社営業の「直接販売」と、広告会社や調査会社経由の「間接販売」に分けられる。他方、2011年8月に買収したITソリューション事業の売上構成は、サイト構築やアプリ開発などスポット的な「初期開発」と、継続的な運用受託でストック型ビジネスの「保守運用」に分けられる。
◆ 12年12月期第2四半期決算は計画を上回る着地
・2012年12月期第2四半期決算は、売上高・利益ともに会社計画を上回る着地。売上高は会社計画比0.9億円増の25.7億円、営業利益は同 0.7億円増の2.2億円、四半期純利益は同0.4円増の1.4億円。通期計画に対する進捗率では売上高が46.8%、営業利益は43.2%と一見すると遅れて見えるものの、同社の収益構造は下期偏重のため、実際の進捗率は会社計画を上回るペースと推察。
◆ 12年12月期会社計画は期初計画を据え置き
・第2四半期決算が計画を上回る内容だったにもかかわらず、同社は保守的な見解から、期初の2012年12月期計画を据え置いた。他方、当センターはリサーチ事業が想定通りの成長トレンドを描いているうえ、ITソリューション事業の赤字幅も想定内に収まっていることから、前回レポートの中長期業績予想を踏襲した。
◆中長期的な適正株価水準は1,840円~2,200円を想定
・同社の収益構造は売上高成長に依存する傾向が強い。したがって、中期的にM&A等による大幅な売上高変化が見込めない限り、株価は緩やかな上昇トレンドを形成すると考えられる。同社のフェアバリュー水準を予想PER10倍~12倍と仮定すると、15年12月期の予想EPS183.8円に基づく中長期的な適正株価水準は1,840円~2,200円と推察される。