フォーバルテレコム (9445 東証マザーズ)

2012/09/06

中小企業向けに、IP電話はじめICTサービスをワンストップで提供。スマートフォン等のモバイル連携アプリやセキュリティ機能の追求で再度成長を狙う。

業種:情報・通信業
アナリスト:高坂 茂樹

◆ 中小企業向けにICTサービスのリセール・一括請求事業を展開
・ICT(情報通信技術)インフラの整備を検討する専門部署を持たない中小企業に対して、光ファイバによるIP電話やインターネット接続、携帯電話の内線利用、ホスティング等のサービスをワンストップで提供。料金一括請求・振込先一本化も含め、顧客のICTコスト削減を実現。

・中小企業の通信回線需要を束ね、通信キャリアから割引価格を引き出し、顧客に還元。大口割引による回線利用料と再販売価格との差を収益とする。顧客開拓は親会社フォーバルはじめ代理店に委託し、同社は仕入先の選定や価格交渉、新サービス等の企画、請求書作成等の業務を行っている。

◆ 通信価格低下を補う新サービスの浸透に期待
・光ファイバによるブロードバンド化が進展し、成長の第二ステージも一巡。スマートフォンの内線電話への転用やクラウドサービスへの応用、セキュリティ対策機能を装備した内線交換機等の浸透等による三度目の成長期入りを狙う。

◆ 業績動向~今期は子会社事業の見直しにより収益回復を見込む
・2013/3期は、前期に悪化した直販サービス子会社の経費節減、印刷関連の不採算子会社の事業譲渡等により、減収ながら利益回復が見込まれる。新規商材の貢献による収益の本格回復には確信が持てない。

・中期的には、モバイル端末の高機能化・ビジネス利用の進展に伴い、同社サービスの伸長が期待される。代理店への支払い手数料を制御しつつ、新規サービスの創出・拡販が実現するか、注目したい。

◆ 同業者との比較から現在の株価評価は適正と判断
・類似会社の株価バリュエーションは市場平均に比べ高く、これを参照すれば同社の株価も割高とは感じられない。妥当な予想PERレンジを18 ~19倍と想定すると、当センターの収益予想に基づく中期的な適正株価は23,700~26,100円となる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。