フジコー(2405 東証マザーズ)
産業廃棄物処理業中堅で、一般廃棄物の受入やバイオマス電力の販売を併営。 2013年6月期は施設改修一巡等により業績は回復すると予想。
業種:サービス業
アナリスト:高坂 茂樹
◆ 2012/6期は施設改修工事や食品系リサイクルの不調で大幅減益
・2012/6期の業績は、売上高1,703百万円(前期比9.5%増)、営業利益 97百万円(同21.2%減)、経常利益24百万円(同41.7%減)、純利益5百万円(同92.8%減)。配当金は5円を継続(配当性向は237%)。
・主な減益要因は、飼料化する廃棄物の収集難航と、主要設備である焼却・発電施設の非定期改修工事に伴う稼働日数減少。廃プラスチック類等の受入量を拡大も、これらの影響を消し込めなかった。
◆ 13/6期は改修一巡、売電価格向上・廃棄物飼料化復調を予想
・今期の会社予想は、売上高1,930百万円(前期比3%増)、営業利益130百万円(同34%増)、経常利益70百万円(192%増)、純利益30百万円(同500%増)。配当金は6円を予定。
・焼却・発電設備の稼働日数増や修繕費負担の軽減、固定価格買取制度の始動により売電単価上昇が見込まれること等から、建設系リサイクル事業は増収・増益となろう。
・食品系リサイクル事業は、養豚業経験者の協力で飼料販売先の開拓が進展しているため、積極営業展開によって飼料化用廃棄物収集量増加を見込み、同事業も復調すると予想。
◆成長性の高さを考慮、予想PER は14~16倍が妥当と判断
・2013/6期会社予想収益に基づく同社の株価収益率は29倍で、同業他社に比べ高い。しかし大幅減益後の回復局面にあるため、これを以て割高と断じるべきでないと考える。
・むしろ、震災関連銘柄という認識からグリーン電力関連銘柄へと新たな認識でテーマ性を帯びており、現在のバリュエーションが維持される可能性があると考える。
・市場平均を上回る予想PER15倍程度が同社の適正なバリュエーションと想定。3~4年後の収益回復時点における同社の適正株価は330~519円と判断。
・なお、同社は8 月24日払い込み予定で、純投資会社ティーティーアイに対する第三者割当増資(希薄化率約24%)を発表。資金繰りに不安のあった同社の株主にとって、当該発表は好意的に受け止められた模様である。