日銀金融政策決定会合について~今回は据え置きだが・・・

2016/03/16 <>
  1. 14-15日の日銀金融政策決定会合では、一連の金融政策は従来のまま据え置かれました。
  2. マイナス金利導入以来、市場はまだ不安定さを残しており、政策効果の見極めはこれからです。
  3. 景気回復が鈍い中でインフレ期待が後退しているため、追加緩和が実施される可能性があります。

マイナス金利導入後の市場混乱で政策効果はこれから

3月14-15日、日銀金融政策決定会合が開かれました。一連の金融政策手段は前回から据え置かれました。マネタリーベースが年間80兆円増加するペースで各種資産を買い入れ、日銀当座預金の一部に適用する金利を-0.1%としています。

1月29日のマイナス金利導入以来、原油急落、世界経済不安などから、市場は大きく変動しました。日経平均株価は1万7000円台から一時1万5000円を割り込み、現在はほぼ戻しています。一方、ドル・円相場は121円台から一時110円台までドルが下落し、現在は113円台です。外部要因の影響が大きいため、貸出押し上げなどの政策効果が適正に評価されるのはこれからでしょう。

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後退したインフレ期待を盛り上げる必要

日本の景気は、消費税増税による押し下げから戻したものの、15年度は回復が鈍く、実質GDP成長率は前年比+0.5~1.0%にとどまると予想されます。

こうしたなか、インフレに対する期待が後退しています。市場が形成する期待インフレ率(図中①)は、16年2月は+0.3%程度、家計のインフレに対する期待(図中②)は同じく75.7%です。これは、13年4月の量的・質的金融緩和導入当初まで、インフレ期待が後退してしまったことを意味します。次回会合(4月27-28日)では、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」が発表されます。見通しが下方修正された場合、追加緩和が実施される可能性があります。

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