FM 今週のポイント(2月22日)

2016/02/22 <>

*嵐が過ぎ去っても依然として晴れ間がみえません。先週は一応のリバウンドを見ましたが週末は再度16000 円大台を割り込んでいます。リーマンショックの再来に身構えた2月2週から見れば過度なリスクオフが解消されたとはいえ、単発のショートカバーは入るものの上値を追う本格的な買い手は姿を現していません。とはいえ、世界的な投資環境は徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。サウジアラビア、ロシア、ベネズエラ、イランの4カ国が交渉のテーブルに着きました⇒(2014 年後半からの原油価格急落局面で、初めて産油国に協調の動きが出てきたことに変化の兆しを指摘する声もある。4カ国合意に加わったベネズエラとロシアは、原油安による財政悪化と通貨安で深刻な景気後退に陥っている。生産調整を拒んできたサウジも大幅な財政赤字に陥るなど打撃を受けており、ロシアやイランとの協力を前提に初めて交渉のテーブルに着いた。イランの対応についても「決裂を避け、将来の協調に含みを残した」(在英外交関係者)との見方もある)⇒特にイランの対応については見方が分かれており本格的な協調減産には程遠いと思われますが、原油供給を巡る変化の兆しはリスクマーケット全般にとって良い兆候と思われます。

*そして、26 日から開催される上海G20 に注目が集まります。米国の利上げが停止され、中国が大型の景気刺激策を打ち出すかがポイントとなります。日本は追加緩和、そして消費増税の延期でしょう。欧州はドイツ銀行等の主要行を徹底的に守る(強力なコミットメント)ことです。もちろん声明には具体的な方策は載りませんが、マーケットに何らかのシグナルを送ることができるかが成否の鍵となります。早ければ3月5日からの全人代前に中国の政策転換が表明され、世界の株式マーケットはショートカバーラリーに転じると想定しています(4極協調の政策発動が続く)。


*先日、ソフトバンクが5000 億円規模の自社株買いを発表しています。今年度は市場全体で6兆円規模に達すると見込まれる自社株買いですが、来年度は飛躍的に規模が拡大する可能性があります。マイナス金利の影響です。資本コストには当然ながら負債コストと株主資本コストに分かれますが、マイナス金利導入で負債コストが大きく低下するからです。JR 西日本が40 年社債の発行を表明しましたが、金利はなんと年率1.6%です。株主資本コストは一般的に益回り(PERの逆数)で代用しますが、現状で7%程度です(PER14 倍)⇒負債コストと株主資本コストのギャップは相当大きくなってきました⇒社債発行、あるいは借り入れによる自社株消却は経済合理性のあるオペレーションです。


*先週は金庫関連銘柄が賑わい大幅に値を飛ばす銘柄が目立ちました。日銀のマイナス金利導入でたんす預金が増えることから金庫需要が増すそうです。株式市場らしい銘柄選択ですが、もう少し先の未来を展望することをお勧めします。

 

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