「大学生の就職率」は過去最高に接近(日本)
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大学生の就職状況は、文部科学省と厚生労働省が共同で調査する「大学等卒業者の就職状況調査」で知ることができます。両省は、共同で大学などの卒業(予定)者の就職(内定)状況について年4回(10月、12月、2月、4月の各1日時点)の調査を行い、各翌月中旬頃に結果を発表しています。地域別、文系理系別、男女別などの状況も把握できます。 |
【ポイント1】就職率は4年連続で上昇
企業収益の拡大を反映
■19日に発表された「平成26年度大学等卒業者の就職状況調査」によると、今春卒業の大学生(就職希望者)の就職率は、前年比2.3ポイント改善し96.7%となりました。これは、4年連続の上昇で、過去最高だったリーマン・ショック前の2008年春(96.9%)に次ぐ水準です。企業収益が2014年度(平成26年度)に過去最高を更新するなど順調な拡大を示しており、企業の採用意欲の高まりが反映された形です。
【ポイント2】文系、女子の就職率が良好
新入社員の仕事に対する熱意は低下傾向
■就職率を各項目別で見ると、地域別では、近畿(97.1%)、九州(94.7%)が過去最高を更新し、全6地域ともに上昇しました。男女別では、女子が96.9%と3年連続で男子(96.5%)を上回りました。また文系理系別では、文系が前年比2.5ポイント改善の96.5%、理系が同0.8ポイント改善の97.2%と文系の改善が顕著です。
■就職環境が好転した反面、仕事に対する熱意は低下傾向と見られます。日本生産性本部が発表した「2015年度新入社員春の意識調査」によると、「年功重視の給与」を希望する回答が過去最高となり、「海外勤務の希望」が初めて過半数を下回りました。また、「仕事を通じてかなえたい夢がある」という質問に対し、「そう思う」と回答した割合が前年比7.1ポイント低下の58.9%となりました。
【今後の展開】企業収益の拡大で雇用も増加へ
■就職は、「買い手市場」から「売り手市場」へ
有効求人倍率は、2013年11月に約6年ぶりに1倍台を回復し、今年の3月は1.15倍と前回のピーク(2006年7月の1.08倍)を超える水準です。就職は、企業優位の「買い手市場」から求職者優位の「売り手市場」の性格が強まっており、企業の人材確保が重要な課題となっています。
■2016年卒業予定者の就職も順調に
2015年度の企業収益は過去最高が続くと見込まれ、2016年大学卒業予定者の就職も好環境が続くと見られます。日本経済の新たな担い手としての活躍が期待されます。
(2015年5月27日)
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