訪日旅行の楽しみは?

2025/09/26

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◆百貨店のインバウンド消費が前年比減少

コロナ禍以降の国内消費は、インバウンド需要に支えられて堅調に推移してきました。特に、百貨店におけるインバウンドの売上高(免税売上高)は、2022年12月には前年同月比+485%を記録するなど、コロナ禍からの回復もあって、高い伸びを示しました。ただ、2025年3月以降、6カ月連続でマイナスとなっています。これまでの高い伸びが一巡しつつある中、円安が大きく進んだ昨年と比べ、幾分円高気味で推移していることなどが要因として考えられます。【図1】

◆訪日旅行には「大変満足」、「必ずまた来たい」

一方、訪日外客数は堅調な伸びが続いています。前年同月比でプラス成長が続いており、2025年に入ってからも、各月としての最高を更新し続けています。為替が円高気味になると訪日のコストは割高になりますが、それでも、増加傾向が続いています。日本の旅行先としての根強い人気を示すものでしょう。

2024年の日本政府観光局のデータによると、訪日旅行の満足度は「大変満足」とする割合が68.9%、日本にまた来たいと思う割合(再訪意向)は、「必ず来たい」が74.1%に上ります。コロナ禍前の2019年時点でも、これらの割合はそれぞれ55.0%、61.6%と、半数は超えていましたが、満足度が年々高まっている様子が窺われます。【図2】

◆買い物だけじゃない、訪日旅行の楽しみ

これほどの高い満足度の背景には何があるのでしょうか。訪日客が旅行中に行ったことの2024年の上位は、1位が「日本食を食べる」、2位は「ショッピング」でした。一方、次回の訪日旅行でやりたいことに注目すると、日本食に次ぐ2位は「温泉入浴」、3位は「自然・景勝地観光」となっています。また、「四季の体感」を選んだ割合も3割弱見られます。この結果は、ショッピング以上に、日本の食や自然の魅力が、訪日客を強く惹きつけていることの表れと言えるでしょう。【図3】

訪日客が訪れる都道府県の割合は、東京、大阪などの大都市や、京都などの主要観光都市が依然として高く、逆に訪日客の1%未満しか訪れない県も多く見られます。こうした地域の自然や文化を観光資源として活かすことで、インバウンド需要の一段の掘り起こしが可能なのではないでしょうか。

訪日客の多くは、日本の食や自然に触れることを楽しみにしているようです。各地の豊かな観光資源で、インバウンド需要の取り込み余地は一層広がりそうです。

(シニアエコノミスト 藤本 啓)

 

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