エン・ジャパン(4849) 再強化し、再成長を目指す変革の1年
![]() 越智 通勝 会長兼社長 |
エン・ジャパン株式会社(4849) |
![]() |
会社情報
市場 |
東証プライム市場 |
業種 |
サービス業 |
代表取締役 会長兼社長 |
越智 通勝 |
所在地 |
東京都新宿区西新宿 6-5-1 新宿アイランドタワー |
決算月 |
3月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数(自己株式を控除) |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
1,769円 |
40,302,976株 |
71,296百万円 |
22.2% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
24.00円 |
1.4% |
50.66円 |
34.9倍 |
905.56円 |
2.0倍 |
*株価は8/26値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*BPS、ROEは25/3期実績。数値は四捨五入。
*DPS、EPSは26/3期の会社予想。
連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
EPS |
DPS |
2022年3月(実) |
54,544 |
9,633 |
10,138 |
6,628 |
147.71 |
70.10 |
2023年3月(実) |
67,716 |
4,249 |
4,072 |
2,695 |
60.98 |
70.10 |
2024年3月(実) |
67,661 |
5,161 |
5,369 |
4,196 |
102.38 |
70.10 |
2025年3月(実) |
65,678 |
5,892 |
5,943 |
7,628 |
186.76 |
70.10 |
2026年3月(予) |
62,200 |
2,800 |
2,983 |
2,070 |
50.66 |
24.00 |
* 単位:百万円
エン・ジャパンの2026年3月期第1四半期決算と2026年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画における23/3期~25/3期までの振り返りと今後の方針・戦略
3.2026年3月期第1四半期決算
4.2026年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 26/3期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比7.7%の減収、営業利益が同21.5%の減益。売上面ではメディアで減収となったものの、他セグメントが伸長し、グローバルの計上変更(約14億円)を除くと増収となった。利益面では、メディアの減収と人件費の増加が影響し減益となった。売上原価は、インドIT派遣の売上計上基準の変更に伴い原価業務委託費を中心に減少した。また、販管費は、微増となったものの、engageの投資抑制により広告費・販促費が減少した。
- 第1四半期が終わり、26/3期の会社計画は、売上高が前期比5.3%減の622億円、営業利益が同52.5%減の28億円の予想から変更なし。採用決定率の高いエン転職を中心に再強化し、再成長を目指す変革の1年とする。また、ハイクラス、ミドルクラスの人材紹介領域を強化する一方で、強化事業再構築および成長に資する先行投資をおこなうことから減収減益を計画。また、26/3期の配当金も、配当性向50%、1株あたりの年間配当計画24円00銭の予定を据え置き。
- メディアでは、エン転職、ミドルの転職・AMBI、engageにおける利用企業数と求職者会員数の拡大がKPIである。今第1四半期において、ミドルの転職・AMBIの利用企業数が継続的に増加し、各プロダクトの求職者会員数が堅調に推移していることが確認された。一方で、エン転職とengageにおいて、利用企業数が前年同期比で減少した。今期予定しているエン転職への開発とプロモーションの再投資により、エン転職の利用企業数と求職者会員数が今後どの様な伸びを示すのか注目される。
1.会社概要
企業理念
同社のパーパス (社会における自社の存在意義)は、「誰かのため、社会のために懸命になる人を増やし、世界をよくする~Inner Calling & Work Hard~」である。その実現のために、社会的インパクトの大きいポジションや成長産業への適切な労働移動、テクノロジーを活用して質・量ともに担保された求人情報の提供による就業機会の増大を目指している。

(同社統合報告書2024より)
主な国内グループ企業

(同社統合報告書2024より)
メディア
内容 |
特徴 |
ユーザー |
顧客企業 |
||
エン転職 | 総合転職情報
サイト |
・ | 一般事業会社直接募集原稿は、1社1社独自に取材・撮影 | ・20~30代が中心 |
一般企業 |
・ | 求職者の立場に立った正直かつ詳細な求人情報 | ||||
ミドルの転職 | ミドル世代向け ハイクラス求人サイト | ・
・ |
ミドル層の転職に強い人材紹介会社及び事業会社の求人情報を掲載
コンサルタントの得意領域、実績等に加えユーザーからの評価を公開 |
・30~40代が中心 |
人材紹介会社 一般企業 |
AMBI | 若手ハイキャリア
特化型求人サイト |
・
・ |
20~30代×年収500万円以上の案件が中心
一般企業、人材紹介会社によるスカウトに軸を置いたサイト設計 |
・20~30代が中心 |
人材紹介会社 一般企業 |
engage | 採用・入社後の
活躍を目的とした デジタルプラットフォーム |
・
・ ・
・
・ |
フリーミアムモデルの採用支援ツール
高クオリティな企業の採用ホームページ、求人募集を簡単かつスピーディーに作成可能 作成した求人は自動で「indeed」や「googleしごと検索」等に連携 有料プランの利用により、より多くの応募獲得を顧客企業に提供し、採用強化を サポート |
20~30代が中心 |
一般企業 |
エン派遣 | 人材派遣会社集合サイト | ・ | 人材派遣会社の情報及び求人情報を
掲載 |
・20~40代の
女性が中心 |
人材派遣会社 |
・ | ユーザーが直感的に操作しやすい検索機能 | ||||
エンバイト | アルバイト
求人情報サイト |
・
・ |
主に人材派遣会社が保有するアルバイト求人情報を掲載
ユーザーの閲覧履歴からお勧めバイトを提案する等、ユーザーの希望にあったバイト探しをサポート |
・大学生
・既卒 未就業者 ・主婦 ・フリーター |
人材派遣会社 |
ウィメンズワーク | 女性向け
求人情報サイト |
・ | 正社員として働くことを希望する女性向け求人サイト | ・20~30代の
女性が中心 |
人材派遣会社 |
・ | オフィスワーク系職種を多数掲載 | ||||
iroots | 新卒学生向け
スカウトサービス |
・
・ |
新卒学生向けの逆求人型就活スカウト
サービス プロフィールや適性診断に基づき、企業 が直接新卒学生にスカウトすることがで きるサービス |
・新卒学生 |
一般企業 |
フリーランス
スタート |
フリーランスエンジニア案件検索
エンジンサイト |
・
・ |
国内最大級のフリーランス案件検索
エンジンサイト フリーランスエージェントの案件情報を まとめて検索・エントリーが可能 |
・フリーランス
エンジニア |
フリーランスエンジニア
案件検索エンジンサイト |
エージェント
内容 |
特徴 |
顧客企業 |
||
en world | 人材紹介 | ・ | 外資系企業及びグローバル展開の日系企業がクライアント |
外資系企業 日系企業 |
・ | グローバル人材の中間管理職~エグゼクティブレベルの案件を取扱い、国内トップクラスのシェア | |||
エン エージェント | 人材紹介 | ・ | エン・ジャパンが持つ求職者データベース及び顧客企業と
取引実績を活用した人材紹介サービス |
日系企業 |
HR・DXソリューション
内容 |
特徴 |
顧客企業 |
|
ゼクウ | 採用管理システム
業務管理システム |
・求人情報、面接者、応募対応、効果測定等の各種管理を一元化
・採用後のスタッフや求人募集案件を一元管理 |
人材派遣会社
|
TALENT ANALYTICS | 活躍できる人材を発見する、見極める適性テスト | ・学歴や役職などの肩書では判断が難しい知的能力・
考え方・価値観などを検査 ・短時間、スマホ等のオンラインで受講可能、 企業が求める人材の発見とミスマッチを防止 |
一般企業 |
ASHIATO | 入社後活躍までを
見据えたリファレンスレポートサービス |
・約15万社の採用支援実績・ノウハウをもとに、独自の
アンケートを実施し、候補者の活躍ぶりをヒアリング。 選考に活用できる面接アドバイスをレポート ・オンラインを中心としたサービスにより、スピーディーなレポートを実現。導入しやすい価格で提供 |
一般企業 |
エンカレッジ | 社員向けオンライン研修サービス | ・新人社員から経営層向けまで400以上の講座を提供
するオンライン研修サービス ・派遣会社のスタッフ教育として、「派遣スタッフ版エン カレッジオンライン」も提供 |
一般企業 人材派遣会社 |
HR OnBoard HR OnBoard NEXT
|
リテンション対策
ツール 「HR OnBoard」の 開発・販売 |
・入社後の離職リスクを可視化するオンラインアンケート
ツール ・月1回、対象者へのアンケートにより離職リスクを簡単に可視化。 離職防止への素早い行動が可能に |
一般企業 |
エンSX | セールス・マーケ
ティング支援 |
・エン・ジャパンのセールス及びマーケティング機能を“B2Bセールスメソッド“として提供 |
一般企業 |
VOLLECT | ダイレクトリクルーティングに特化した採用支援サービス | ・企業の採用活動を支援する「PRO SCOUT」を主力にサービス提供、700社超の導入実績をもとに採用プロセスの最適化、採用実務代行を行う
・採用活動を戦略的に支援し、内製化までをサポート |
一般企業 |
グローバル
国 |
内容 |
特徴 |
顧客企業 |
|||
en world
NEW ERA |
インド | 人材紹介 | ・ | インドで事業を行う現地企業及びグローバル企業が
クライアント |
現地企業 グローバル企業 |
|
・ | 高年収層の案件を中心に取り扱っており、IT関連に
強み |
|||||
Future Focus Infotech | IT人材派遣 | ・ | IT派遣で20年の実績があり、代表的なIT企業を
数多く顧客に持つ |
現地企業 グローバル企業 |
||
・
・ |
AIやIoT等先端技術への投資・教育に力を入れて
いる 米国やUAE等、インド以外からのオフショア開発も 受託 |
|||||
Navigos Search | ベトナム | 人材紹介 | ・ | ベトナムにおいてNo.1の人材紹介 |
現地企業 グローバル企業 日系企業 |
|
・ | 現地企業・グローバル企業に対し、管理職レベルの
人材を紹介。日系企業も強化 |
|||||
VietnamWorks | 総合求人
情報サイト |
・ | ベトナムにおいてNo.1の求人サイト |
現地企業 グローバル企業 日系企業 |
||
・ | 主に現地の人材と現地企業・グローバル企業が顧客対象。日系企業も強化 |
(同社決算説明資料より)
その他新規事業 ※非連結子会社
内容 |
特徴 |
顧客企業 |
|||
Insight Tech | マーケティング
リサーチ AIを活用したデータ解析 |
・
・ |
消費者から買い取った「不満」をDB化~解析し、商品開発に役立つ商品として企業へ販売
高度なデータ解析技術を元に企業が保有するデータを 解析。課題解決のソリューション提供 |
一般企業 |
|
エン婚活
エージェント |
オンライン
婚活支援サービス |
・ | 「結婚後の幸せ」をゴールとした新しいコンセプトの
婚活サービス |
一般消費者 |
同社の強み
人材・企業DBとその活用力 | ・3,000万人を超える人材データベースと15万社超との取引実績。
・「人」「企業」の両面で充実したデータベースの保有に加え、その活用力にも強み。 ・文章解析AI等テクノロジーの力を駆使し、精度の高いマッチングを効率的に実現。 ・DX 関連事業等の新事業に、既存の営業網を活用することも可能。 |
HR×Web領域の知見と開発 | ・1995年に国内初のインターネット求人サイトを立ち上げて以来、Web領域における知見を蓄積。
・サイト構築・運用やWebマーケティング等、デジタル活用に強み。 ・近年ではAI等の活用も強化。 ・入社後の活躍まで実現するHR領域のノウハウと掛け合わせることで、競合優位性のあ る独自のプロダクトを開発 (HR OnBoard、engage、ASHIATO等、新サービスを継続的に リリース)。 |
変化に即応できる組織力 | ・新型コロナウイルス拡大の初期段階で在宅勤務に移行。
・リモートワーク、ヴァーチャルオフィス等を取り入れた勤務体制を推進。 ・訪問ではなくリモートで営業活動を行なう「インサイドセールス」を先駆的に実践していた 素地もあり、生産性に影響はなし。 ・書類を介していた手続きも大半を電子化。 |
主観正義性と収益性の両立 | ・主観正義性とは「世の中のあるべき姿を独自に考え、その実現に尽力する」姿勢を指す
同社独自の考え方で、HR 以外も含めた全事業に共通する考え方。 ・収益性のみに偏ることなく、世の中をより良く変えていくスタンスが独自性と信頼に直結。 ・この結果、運営サービスはオリコン顧客満足度®調査等、外部調査で高評価を獲得。 |
海外進出の状況
同社は、アジアを中心に海外展開を進めており、現在は特に著しい経済成長が見込まれるベトナムとインドに注力している。ベトナムでは、国内の求人サイトおよび人材紹介事業で圧倒的なシェアを有する「Navigos Group」を2013年4月に子会社化。国内No.1のHR 企業として成長を続けている。今後は、更なる需要拡大が見込まれる管理職クラス向けのサービスも強化し、マーケットへの影響力をより高めていく計画である。また、インドでは、2019年にインドの「Future Focus Infotech Pvt.Ltd.」を子会社化。IT エンジニア人材派遣において20年の実績があり、3,000名を超えるエンジニアを有するインド国内で大きなシェアを持つ企業。今後も高い需要と成長が見込まれる「IT領域」を軸に事業拡大を進める方針である。
<海外グループ企業>

(同社統合報告書2024より)
商号変更
同社は、2025 年10 月1日よりエン・ジャパン株式会社からエン株式会社への商号変更を予定している。
新経営体制
同社は、27/3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画を策定し収益拡大を図ってきた。その間、事業環境は急速に変化し経営方針および事業戦略の見直しが喫緊の経営課題となっている。こうした状況下、同社は事業ポートフォリオの見直しと意志決定の迅速化、ガバナンス強化を図ることを目的に経営体制の変更を実施した。

(同社決算説明資料より)
自己株式取得
同社は、株主還元水準ならびに資本効率の向上を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため自己株式の取得を行うことを決定し、現在自己株式取得を実施中である。
取得し得る 株式の総数 | 7,800,000 株(上限) (発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 19.1%) |
株式の取得価額の総額 | 50億円(上限) |
取得期間 | 2025年5月16日~2026年4月30日 |
取得方法 | 東京証券取引所における市場買付 |
なお、同社は2025年6月末時点において193億円の現預金と短期有価証券を保有している。
2.中期経営計画における23/3期~25/3期までの振り返りと今後の方針・戦略
23/3期~25/3期までの振り返り
23/3期 (中計) |
23/3期 (実績) |
24/3期 (中計) |
24/3期 (実績) |
25/3期 (中計) |
25/3期 (実績) |
26/3期 (中計) |
27/3期 (中計) |
|
売上高 |
620 |
677 |
700 |
676 |
850 |
656 |
1,000 |
1,200 |
営業利益 |
31 |
42 |
41 |
51 |
99 |
58 |
175 |
240 |
営業利益率 |
5% |
6.3% |
6% |
7.6% |
12% |
9.0% |
18% |
20% |
* 単位:億円
同社は、現在中期経営計画(23/3期~27/3期)の進行中である。しかし、23/3期~25/3期までを振り返ると、残念ながら売上高と営業利益が計画を下回り、思い通りの成果をあげることができていない。これは、engageが好調に推移し中期経営計画を上回る成長をとげる一方で、エン転職が競争環境の変化と投資抑制の影響により想定以上に苦戦したため、engageとエン転職の投資バランスが崩れ、会社計画が未達となったものである。また、同社が重視している下記の「事業ガイドライン3」を十分に活かせず、商品の競争力が弱まり収益性にも影響を及ぼした。
「事業ガイドライン3」 |
私たちの存在の価値は、主観正義性と収益性の両立である。その独自性を忘れず、新しい商品・サービスを開発し続けよう |
私たちの仕事の成果は、両クライアント(ユーザー・カンパニー)からのロイヤルティである求められるものより、 真に“喜ばれ、人に薦めたくなるもの”とは何か?を考え、ユーザーファースト主義(for カンパニー)に徹しよう |
私たちの最大の資産は、仲間のCareerSelectAbility®である“1+1>2”の視点で、個人も組織もスピード感を持ち、絶えず進化し続けよう |
今後の方針・戦略
方 針 |
戦 略 |
パーパス実現に向けたサービス強化 | ◆エン転職再強化
◆ハイクラス、ミドルクラス強化 |
組織体制の強化 | ◆商品企画、プロダクト体制見直し
◆営業体制見直し |
ブランド強化 | ◆商号変更に伴いCI(コーポレート・アイデンティティ)強化 |
グループ強化 | ◆単体事業の相互連携 |
25/3期 |
26/3期 |
|
エン転職 | 投資を抑制するなかでもサイト上の入社決定率は
高水準を維持 |
投資を再強化し、入社決定数の増加を目指すとともに、成功報酬型の強化を含めてマネタイズの
多様化を図る |
engage | 最大の投資を実行し売上拡大するものの、サイト上の入社決定率には課題が残る | 投資の最適化を図り、商品の改善を通じて入社
決定率の向上を目指す |
財務基本方針と株主還元
【資本コスト、ROE、PBR 現状認識】
同社は、株主資本コストや資本収益性を的確に把握できている。
◆株主資本コストは年単位で変動はあるものの概ね10%程度
◆ROEは直近3期平均13%程度を維持
◆PBRは直近3期で約2.6倍と市場からも一定の評価

(同社決算説明資料より)
【キャッシュ・アロケーション】
同社は、バランスのとれたキャッシュ・アロケーション計画を策定している。

(同社決算説明資料より)
<キャッシュアウト>
投資【110億円】 |
◆ブランド投資:CI
◆設備投資:運用・開発システム ◆人材投資:次世代幹部育成・エンジニア ◆M&A投資:国内HR領域を対象 |
株主還元【80億円】 |
◆固定配当(70.1円/1株)
◆自己株式取得50億円 |
運転資金【130億円】 |
◆有事に備え月商の2.5か月水準
◆余剰資金は成長事業投資へ投下 |
【株主還元(配当計画)】
26/3期は配当性向50%。資本効率向上を意識した株主還元を実施する。

(同社決算説明資料より)
3.2026年3月期第1四半期決算
(1)2026年3月期第1四半期連結
業績
25/3期 第1四半期 |
構成比 |
26/3期 第1四半期 |
構成比 |
前年同期比 |
|
売上高 |
16,246 |
100.0% |
14,991 |
100.0% |
-7.7% |
売上総利益 |
13,012 |
80.1% |
12,713 |
84.8% |
-2.3% |
販管費 |
11,319 |
69.7% |
11,384 |
75.9% |
+0.6% |
営業利益 |
1,693 |
10.4% |
1,328 |
8.9% |
-21.5% |
経常利益 |
1,841 |
11.3% |
1,384 |
9.2% |
-24.8% |
親会社に株主に帰属する 四半期純利益 |
1,206 |
7.4% |
948 |
6.3% |
-21.4% |
* 単位:百万円
※数値にはインベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
売上高は前年同期比7.7%減収、営業利益は同21.5%減益
売上高は前年同期比7.7%減の149億91百万円、営業利益は同21.5%減の13億28百万円となった。売上面では、メディアにおいてエン転職において前期の投資抑制による影響が継続しており、減収となった。一方、エージェントではエンワールドジャパンにおいてコンサルタントの生産性が向上し、増収となった。また、HR・DXソリューションではVOLLECTの子会社化とゼクウの成長により、増収となった。グローバルでは減収となったものの、インドIT派遣、ベトナムともに成長し、契約形態を見直したことで売上計上方法をグロス計上からネット計上へ変更した影響を加味すると実質は増収となった。
利益面では、売上原価において、主にインドIT派遣の契約形態を見直したことで売上計上方法をグロス計上からネット計上へ変更した影響に伴う業務委託費の減少により、前年同期比29.6%減となった。また、販管費は、engageを中心とした広告宣伝費の減少があったものの、メディアにおける新卒を中心とした人件費が増加したことにより、同0.6%増となった。営業利益はエージェント、HR・DXソリューション、グローバルにおいて増益となったものの、メディアにおいてはエン転職の減収と新卒の増員により減益となった。売上高営業利益率は同1.5ポイント低下の8.9%となった。その他、経常利益は同24.7%の減益。親会社株主に帰属する四半期純利益は、同21.4%の減益となった。
売上原価の主な費用

(同社決算説明資料より)
26/3期第1四半期(4-6月)の売上原価は、前年同期比で29.6%減少した。インドIT派遣における売上計上基準変更に伴い、業務委託費が減少した。
販管費の主な費用

(同社決算説明資料より)
26/3期第1四半期(4-6月)の販管費は、前年同期比で0.6%増加した。engageの投資抑制により広告宣伝費は減少したものの、新卒を中心とする人件費が増加した。
(2)セグメント別動向
25/3期 第1四半期 |
26/3期 第1四半期 |
前年同期比 |
||
連結 |
売上高 |
162.4 |
149.9 |
-7.7% |
営業利益 |
16..9 |
13.2 |
-21.5% |
|
メディア |
売上高 |
105.8 |
97.5 |
-7.9% |
営業利益 |
17.0 |
10.4 |
-39.0% |
|
エージェント |
売上高 |
25.9 |
26.5 |
+2.2% |
営業利益 |
0.0 |
1.9 |
– |
|
HR・DXソリューション |
売上高 |
12.2 |
14.2 |
+15.9% |
営業利益 |
1.9 |
2.1 |
+11.8% |
|
グローバル |
売上高 |
23.3 |
15.6 |
-32.9% |
営業利益 |
1.2 |
2.4 |
+90.8% |
|
全社調整 |
売上高 |
-4.9 |
-4.0 |
– |
営業利益 |
-3.4 |
-3.6 |
– |
* 単位:億円

【メディア事業】
売上高は、前期のエン転職投資削減の影響と今期のengage投資抑制により減収となった。営業利益は、利益率の高いエン派遣が堅調に推移した。


◎メディア事業のKPI
ミドルの転職・AMBIの利用企業数は継続的に増加し、各プロダクトの求職者会員数は堅調に推移した。
エン転職 |
前年同期比 |
ミドルに転職・AMBI |
前年同期比 |
engage |
前年同期比 |
|
利用企業数(社) |
4,741 |
-10% |
11,415 |
+27% |
18,011 |
+3% |
求職者会員数(万人) |
1,221 |
+5% |
445 |
+13% |
591 |
+44% |
【エージェント事業】
売上高は、enworldにおいてコンサルタントの生産性が向上し増収となった。営業利益はエンエージェントにおけるコスト適正化とenworldの増収により増益となった。

【HR・DXソリューション事業】
売上高は、VOLLECTで0.8億、ゼクウで0.6億増加し全体で増収となった。営業利益は人員増加による人件費の増加を各プロダクトの増収が吸収し増益となった。

【グローバル事業】
売上高は、売上計上基準変更の影響を除くと、インドIT派遣、ベトナムともに増収となった。営業利益はインドIT派遣で0.3億増加、ベトナムで0.8億増加し全体で増益となった。

(3)財政状態
◎財政状態
25年3月 |
25年6月 |
25年3月 |
25年6月 |
||
現預金 |
27,481 |
17,351 |
仕入債務 |
913 |
972 |
売上債権 |
6,439 |
5,853 |
未払金 |
4,445 |
3,583 |
有価証券 |
2,000 |
2,000 |
流動負債 |
16,540 |
13,930 |
流動資産 |
37,089 |
30,769 |
固定負債 |
2,783 |
3,006 |
有形固定資産 |
681 |
713 |
負債 |
19,323 |
16,937 |
無形固定資産 |
10,073 |
10,293 |
純資産 |
37,618 |
34,050 |
投資その他 |
9,097 |
9,211 |
負債・純資産合計 |
56,942 |
50,988 |
固定資産 |
19,853 |
20,218 |
有利子負債合計 |
0 |
0 |
* 単位:百万円
*有利子負債=借入金(リース債務含まず)

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
25年6月末の総資産は前期末比59億54百万円減少の509億88百万円。資産サイドでは、現預金、売上債権等が主な減少要因となり、流動資産のその他、ソフトウエア等が主な増加要因となった。負債・純資産サイドでは、未払金、未払法人税等、賞与引当金、配当金の支払などによる利益剰余金、為替換算調整勘定等が主な減少要因となり、前受金、退職給付に係る負債、資産除去債務等が主な増加要因となった。総資産の約60%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も65.5%と、高水準を維持している。
(4)自己株式取得状況
決議内容 |
取得状況 |
◆取得し得る株式の総数: 7,800,000 株(上限)
◆取得価額の総額: 5,000,000,000 円(上限) ◆取得予定単価: 641 円 |
◆取得した株式の総数: 815,500 株 (10.4%)
◆取得価額の総額: 1,348,391,600 円 (26.9%) ◆取得平均単価: 1,653 円 |
(5)トピックス
ソーシャルインパクト採用 |
◆エン・ジャパンが持つ多様なサービス・ノウハウを結集し、採用面から社会を変えるプロジェクト
◆プロジェクト数220件以上、支援団体数92団体、採用決定数800名以上(累計) ※2025年6月末時点
![]() (同社決算説明資料より) |
有価証券報告書の前倒し公表を実施 |
◆2025年3月28日、金融庁が「株主総会前の適切な情報提供について(要請)」を公表
◆同社は従来、株主総会後に有価証券報告書を提出していたが、上記要請を受け、 今年度は株主総会の1日前に有価証券報告書を公表 |
英文資料の同時開示 |
◆2025年4月1日から、決算情報および適時開示情報を日本語と英語で「同時に開示する」ことが義務化(プライム上場企業)◆同社は、決算情報および適時開示情報の英文同時開示を2024年8月より実施 |
IR体制整備の義務化 |
◆2025年7月を目途に、企業規模や株主構成等を踏まえIR体制について検討・整備することを義務化
◆同社はIR専任部署を既設しており、2025年4月より担当役員を新たに設置 |
4.2026年3月期業績予想
(1)連結業績予想
|
25/3期 |
構成比 |
26/3期 予想 |
構成比 |
前期比 |
売上高 |
65,678 |
100.0% |
62,200 |
100.0% |
-5.3% |
売上総利益 |
52,437 |
79.8% |
51,404 |
82.6% |
-2.0% |
販管費 |
46,545 |
70.9% |
48,603 |
78.1% |
+4.4% |
営業利益 |
5,892 |
9.0% |
2,800 |
4.5% |
-52.5% |
経常利益 |
5,943 |
9.0% |
2,983 |
4.8% |
-49.8% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
7,628 |
11.6% |
2,070 |
3.3% |
-72.9% |
*単位:百万円
26/3期の業績予想は、前期比5.3%減収、同52.5%営業減益
第1四半期が終わり26/3期の会社計画は、売上高が前期比5.3%減の622億円、営業利益が同52.5%減の28億円から変更なし。26/3期は事業再構築の年と位置づけ、売上高・営業利益ともに前期を下回る計画。採用決定率の高いエン転職を中心に再強化し、再成長を目指す変革の1年とする。中でも、エン転職では、投資を再強化し、入社決定数の増加を目指すとともに、成功報酬型の強化を含めてマネタイズの多様化を図る。また、ハイクラス、ミドルクラスの人材紹介領域を強化する。一方、開発費、広告宣伝費など成長に資する投資を実行する。更に、engageでは、投資の最適化を図り、商品の改善を通じて入社決定率の向上を目指す。
同社は26/3期より戦略に合わせた情報開示を目的に、セグメント区分および名称を変更する。従来のHR-Tech engage、人財プラットフォーム、国内求人サイトをメディアセグメントとする。また、国内人材紹介をエージェントセグメント、国内その他をHR・DXソリューションセグメント、海外をグローバルセグメントとする。26/3期は、特にメディアセグメントにおいて、エン転職を中心に先行投資で商品力を強化しながら、成長基盤の再構築に注力する。更に、エージェントセグメントでは、ミドル年収帯に注力しつつ、エンDB活用を強化する仕組みづくりを推進する。
売上面では、エージェントとHR・DXソリューションで売上高の増加を見込むものの、メディアとグローバルは減少する見通し。
(グローバルの減収要因は主にインドIT派遣事業における売上計上基準変更によるもの)
費用面では、広告宣伝・販促費、人件費、支払手数料などが増加する一方で、業務委託費が減少する計画。総費用は前期比0.6%減少する見込みである。売上高総利益率は前期比2.8ポイント上昇し82.6%となる予定である。また、販管費が同4.4%増となり、売上高販管費比率は同7.2ポイント上昇の78.1%を計画。広告宣伝・販促費は161億52百万円と前期から3億23百万円(前期比2.0%増)増加し、人件費は190億93百万円と前期から6億50百万円(前期比3.5%増)増加する見込みである。この結果、売上高営業利益率は4.5%と前期比4.5ポイント低下する予想。
また、26/3期の配当金も配当性向50%、1株あたりの年間配当計画は24円00銭の予定を据え置き。
(2)セグメント変更
26/3期より、戦略に合わせた情報開示を目的にセグメント区分および名称を変更した。

(同社決算説明資料より)
(3)26/3期のセグメント別
業績予想
メディアでは、エン転職を中心に先行投資で商品力を強化しながら、成長基盤の再構築を行う。エージェントは、ミドル年収帯に注力しつつ、エンDB活用を強化する仕組みづくりを推進する。
25/3期 |
26/3期 |
前年同期比 |
||
連結 |
売上高 |
656 |
622 |
-5.3% |
営業利益 |
58 |
28 |
-52.5% |
|
メディア |
売上高 |
424 |
412 |
-2.8% |
営業利益 |
54 |
33 |
-38.7% |
|
エージェント |
売上高 |
98 |
104 |
+5.2% |
営業利益 |
0 |
1 |
– |
|
HR・DXソリューション |
売上高 |
51 |
56 |
+7.3% |
営業利益 |
7 |
4 |
-48.2% |
|
グローバル |
売上高 |
101 |
65 |
-36.0% |
営業利益 |
7 |
6 |
-17.9% |
|
全社調整 |
売上高 |
-19 |
-15 |
– |
営業利益 |
-11 |
-16 |
– |
* 単位:億円
5.今後の注目点
同社の26/3期第1四半期決算は、売上高が前年同期比7.7%の減収、営業利益が同21.5%の減益となった。売上高は、メディアで減収となったものの、他セグメントが伸長し、グローバルの計上変更(約14億円)を除くと増収となった。営業利益はメディアの減収と人件費の増加が影響したものである。メディアにおいて苦戦が継続しているものの、エージェントではenworldにおいてコンサルタントの生産性が向上し増収増益となった。また、HR・DXソリューションでも、VOLLECTとゼクウの伸長により、増収増益となった。更に、グローバルでも売上計上基準変更の影響を除くと、インドIT派遣、ベトナムともに増収となり、全体で増益となった。近年伸び並んでいたエージェントとグローバルが拡大基調に転じてきたことは同社の復活に向けた第一歩であり明るい材料と言えよう。こうした中、同社は26/3期を再成長のための変革の1年と位置付けており、採用決定率の高いエン転職を中心に再強化を実施する。中でもエン転職では、開発とプロモーションの投資を再強化し、入社決定数の増加を目指すとともに、成功報酬型の強化を含めてマネタイズの多様化を図る。エン転職では苦戦が続いているものの、今第1四半期において減少傾向が底打ちとなった模様である。こうした重点戦略の成果により主力事業であるエン転職がいつの時期から成長力を取り戻すのか注目される。
また、メディアでは、エン転職、ミドルの転職・AMBI、engageにおける利用企業数と求職者会員数の拡大がKPIである。今第1四半期では、ミドルの転職・AMBIの利用企業数が継続的に増加し、各プロダクトの求職者会員数が堅調に推移していることが確認された。エン転職とengageにおいて、利用企業数が前年同期比で減少したことは残念であったが、今後の巻き返しに期待したい。続く第2四半期において、同社の業績拡大に欠かせない利用企業数と求職者会員数をどこまで拡大することができるのか注目される。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
<組織形態および取締役・監査役の構成>
組織形態 | 監査等委員会設置会社 |
取締役 | 8名、うち社外4名 |
監査役 | 3名、うち社外3名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2025年6月25日
<基本的な考え方>
当社は、その事業を通じて、株主やクライアント等様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えております。そのために、当社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築することを重要な施策と位置付けており、当社グループの健全な成長のため、コーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システム作りに取り組んでおります。また、役職員の倫理観・誠実さを高めることは、様々なステークホルダーの真の信頼を得るうえで、基本的な前提となると考えております。今後もコンプライアンスに関する教育の徹底等内部管理体制の更なる整備を進め、これを適正に機能させることによって、健全な経営を確保してまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示>
【補充原則2-4 ①】
当社グループでは、画一的な視点や従来からの固定観念にとらわれないイノベーティブな事業創造のために、「多様な人材の活躍」が必要不可欠であると考えています。従来より注力している女性活躍推進に加え、グローバル人材紹介を手掛けるenworldを中心とした海外人材の採用、既存社員のキャリアパス多様化、LGBTフレンドリーな制度整備、障がい者雇用の促進など様々な施策を通じ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。
なお、当社では一般事業主行動計画(計画期間:2021年8月1日~2025年3月31日)において「女性社員(管理職)の割合を20%以上」を目標に掲げましたが、達成をしましたので新たな測定可能目標は設定しておりません。実績値は以下の通りです。女性役員2名、女性管理職者比率が25.4%、中途採用者の管理職者比率37.3%(いずれも2025年6月25日現在)であり
ますが、「チャレンジ管理職制度」等の施策を通じ、それぞれの管理職者比率を現状より増加させるよう、取り組んでおります。
また、当社グループでは外国人役員5名(2025年6月25日現在)の他、複数の外国人管理職者が在職しておりますが、在職者数を現状の維持又はより増加するように取り組んでまいります。
【原則3-1】
(ⅰ)当社は、「誰かのため、社会のために懸命になる人を増やし、世界をよくする~InnerCalling&WorkHard~」をパーパス(社会における当社の存在意義)として掲げております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方を当社ホームページに記載しております。
(ⅲ)当社の役員の報酬等の額は、株主総会で決議された報酬枠の範囲内で支給し、毎月の定期同額給与(基本報酬)によって構成されております。取締役の報酬(監査等委員である取締役を除く。)に関しては、社外取締役を主要な構成員とする任意の指名・報酬委員会が、確認・検証を行っており、その答申結果を踏まえ、取締役会により決定しております。各監査等委員である取締役の報酬に関しては監査等委員会の協議により決定しております。また、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に関しては、基本報酬の他に業績連動報酬(現金賞与)も定めております。これは、株主の皆様と業績向上によるメリット及び業績下落によるリスクを経営陣が共有する仕組みであり、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高め、持続的な企業価値の上昇を図るインセンティブを有する報酬として位置付けております。なお、中長期的な業績連動報酬としての株式報酬型ストックオプションに関しては、2023年3月期に導入しております。
これにより、取締役の業績連動報酬実績および今後の想定に関しては下記の通りです。
(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)
2025年3月期 固定報酬72%、業績連動報酬28%
2027年3月期(予) 固定報酬56%、業績連動報酬44%
※2027年3月期以降の業績連動報酬は、目標指標に対して100%達成した前提で構成比を算出しています。
なお、業績連動報酬(現金賞与)の評価指標に関しては下記の通りです。
<各指標の評価ウエイト>
指標 評価ウエイト
連結売上高 40%
連結営業利益 40%
連結当期純利益 20%
<各指標の目標達成率に応じた支給率>
達成率 支給率
80%未満 0%
80%以上100%未満 50%
100%以上120%未満 100%
120%以上 120%
また、株式報酬型ストックオプションの評価指標に関しては下記の通りです。
<各指標の評価ウエイト>
指標 評価ウエイト
連結売上高 40%
連結営業利益 40%
連結当期純利益 20%
<各指標の目標達成率に応じた支給率>
達成率 支給率
90%未満 0%
90%以上100%未満 50%
100%以上 100%
(ⅳ)社内取締役(監査等委員である取締役を除く。)の選任については、当社の経営理念を共創し、その実現に向け、日々注力できていることを前提として、担当分野において高度な専門性を有するのみならず、経営環境の変化に対して迅速、柔軟且つ的確に対応できる効率性の高い経営システムを推進していくにふさわしい人材を指名しております。社外取締役の選任については、当社の経営理念に共感し、経営陣や特定の利害関係者の利益に偏ることなく、客観的な立場から独立性をもって経営を監視することが可能で、且つ幅広い見識をもった人材を指名しております。
社外を含めた取締役の解任については、職務の執行について善管注意義務・忠実義務を適切に果たしていないと認められる場合や当社の持続的な利益成長と企業価値向上に貢献していないと認められる場合等取締役としての資質に疑義が存在する場合は解任を検討することとし、不正または重大な法令違反等があった場合は、解任することとしております。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)候補の指名に際しては、社外取締役を主要な構成員とする任意の指名・報酬委員会の意見を踏まえた上で、取締役会で検討し決定しております。また、監査等委員である取締役候補の指名に際しては、社外取締役の意見を踏まえ、且つ監査等委員会の同意を得た上で、代表取締役が提案した内容を取締役会で検討し決定しております。
(ⅴ)取締役候補者(監査等委員である取締役を除く)について、株主総会参考書類において経歴その他の事項を開示し、これと合わせてそれぞれの推薦の理由を開示しております。
〔取締役候補者(監査等委員である取締役を除く)推薦理由〕
第25期定時株主総会招集ご通知を参照
【補充原則3-1 ③】
当社グループのサステナビリティについての取組みやペーパーレス化やテレワークの推進などによる環境負荷軽減への取組み、人的資本や知的財産への投資等については、統合報告書
https://corp.en-japan.com/IR/annual.html
にて開示しております。また、気候変動緩和策・適応策として「環境基本方針」を定め、環境負担軽減への取り組みとともに当社ホームページ
https://corp.en-japan.com/sustainability/
にて公表しております。
気候変動に係るリスク及び収益機会について、気候変動が様々な企業の経済活動に影響を及ぼし、当社事業に間接的に影響する可能性がある
と認識しております。ただし、当社事業の特性を鑑みると、気候変動が当社事業に及ぼす直接的な影響は限定的であると考えております。しかしながら、地球環境の保護により持続可能な開発目標の達成を支援することは、重要な責務の一つであると考えて、GHG排出量削減を目的とした数値計測を実施しております。
【原則5-1】
(1)基本的な考え方
当社グループの中長期的な企業価値および株主価値の向上を目的に、株主、国内外機関投資家、アナリスト等との積極的な対話を通じて長期的な信頼関係を構築し、適正な企業評価を得ることを基本といたします。
(2)IR体制
代表取締役社長を最高責任者とし、取締役執行役員経営戦略本部長をIR担当役員として、その管掌する経営企画部門にIR業務を選任で行うチームを設置しております。経営戦略の企画・管理を行う経営企画部門内に設置することにより、経営戦略および経営実績ならびに資本市場動向を連携させ、当社グループの状況を正確に把握し適時適切な情報発信を行います。
(3)対話の方法
IR活動にあたっては、経営方針・戦略の進捗状況および財務状況、また事業環境や競争環境など、資本市場関係者の関心の高い項目を中心にコミュニケーションツールを作成し、対話の機会を創出します。具体的には、毎四半期決算公表後に、代表取締役社長、取締役執行役員経営戦略本部長および経営幹部が出席する決算説明会を開催し、国内外機関投資家、アナリスト等の資本市場関係者に対し決算の概況、経営計画の進捗状況、今後の方針・戦略などの説明およびこれらに対する質疑応答などを通じて対話を深めるほか、証券会社主催のカンファレンス、ラージミーティングおよびスモールミーティングへの参加、国内外の機関投資家オフィスへの訪問、証券会社およびIR支援会社等主催の個人投資家向け説明会への参加などを実施いたします。また、コーポレートサイトにおける積極的な情報開示や統合報告書の充実等にも取り組み、対話の促進に努めております。個人投資家や海外の資本市場関係者対しては専用ツールや英語版資料の作成など情報格差を最小限にしております。
(4)経営へのフィードバック及びインサイダー情報の管理
IR活動で得られた情報や資本市場関係者からのフィードバックコメントは、四半期毎に取締役会にて「IRレポート」として報告し、重要性の高い案件や迅速な対応を必要とする案件については、四半期毎の報告機会を待つことなく、代表取締役社長および取締役執行役員経営戦略本部長に適宜フィードバックしており、資本市場及び資本市場関係者の要請や期待を正確に把握することで、企業価値・株主価値の向上を意識した経営戦略や財務・資本戦略等に役立てております。また、インサイダー情報の管理は、機密情報管理規定を策定し、未然防止に注力しております。特に、自社株売買については自社株式売買取引規則により一定のルールの下で実施しており、役員及び社員に対しては、継続的な教育を行っております。
(5)実質株主調査の実施
原則として年に2回実質株主調査を実施し、株主構成の把握に努め、その後のIR活動に反映しております。
2024年度のIR活動状況の具体的な内容については、「株主との対話の推進と開示」(東京証券取引所2023年3月31日公表)に基づき、当社ホーム
ページに掲載をしております。
https://corp.en-japan.com/IR/governance.html
【原則5-2】
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
当社は、「持続的な売上および利益成長、資本コストを上回る資本効率、中長期的な企業価値向上に資する財務戦略の実行」を財務基本方針としております。財務健全性確保と資本効率追求を両立すべく、あるべき水準感を意識した自己資本比率目標を設定するとともに、ROE(自己資本利益率)は、当社が独自に算出した資本コスト(10%程度)を上回る水準を維持し、中長期的にはそれを超える事を目指すべく企業価値の向上に努めております。なお、直近年度においては資本コストを上回る資本収益性を達成していることを確認しております。
また、当社は、自社の資本コストおよび資本収益性については的確に把握できており、原則として年に一度算出した株主資本コストを適用し、事業ポートフォリオ適正化や業務執行、新規投資判断や撤退基準などに活用するなど、資本効率を意識した経営に取組んでおります。2026年3月期は事業環境の変化に伴い中期経営計画を取り下げ、事業変革の年度となることから、ROEは5.8%程度(2025年5月14日公表の業績予想数値ベース)としております。今後も、IR活動を通じ資本市場からのニーズを常に注視し、当社の企業価値向上に向けた経営方針や具体的施策の理解促進に努めてまいります。
また、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の今後の方針および具体的な目標値等につきましては、現在進めている2027年3月期以降の計画見直しに併せ、改めて公表する予定です。

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