高インパクトの米「相互関税」と今後の相場の焦点
世界中が固唾を呑んで待ち構えていた、米トランプ政権の「相互関税(Reciprocal tariffs)」が、ついに4月3日(木)5時(現地時間2日(水)16時)に公表されました。
これを受けた、3日(木)の日本株市場は下落で反応し、日経平均は取引開始直後の9時9分に34,100円台まで下落する場面がありました。前日終値比で1,600円を超える下落幅となったわけですが、その後は値を戻しており、下げ幅が大きいこと自体に変わりはないものの、これまでのところ、パニック的に「売りが売りを呼ぶ」展開にはなっていません。
ニュース等では、日本に対して24%、欧州連合(EU)は20%、中国は34%、インドは26%といった関税率の数字が、想定していたよりも厳しめの内容だったことのインパクトが報じられ、金融市場に影響を与えた格好ですが、その一方で市場は冷静さも垣間見せており、状況を整理して今後の相場に臨む必要がありそうです。
まず、今回の相互関税についてざっくりまとまると、「すべての国に一律で10%の関税」を課し、それをベースに「国ごとに異なる税率」が上乗せされるという2段階の構図になっています。つまり、日本の税率(24%)のうち、14%が上乗せ分ということになります。また、すでに公表されている分野別の関税(自動車や鉄鋼・アルミ製品)については相互関税の対象外となっています。
また、今回の相互関税の根拠として、米国のIEEPA(国際緊急経済権限法)が基になっています。つまり、現在の米国が抱える巨額の貿易赤字や、国内製造業の低迷などを是正するために実施されていることや、ベッセント米財務長官が、今回示された相互関税率は、「基本的に上限の役割を果たすもの」と米下院議員に説明したと、米CNBCの記者がSNSに投稿したことなどから、今後の交渉次第では上乗せ税率の軽減の可能性が残されており、少なくとも相互関税については、「今が最悪の状況で、今後は改善していくかも」という見方ができます。
ちなみに、今回の相互関税は、10%分が現地時間5日(土)の0時1分(日本時間5日の13時1分)、上乗せ分が9日(水)の0時1分(日本時間の13時1分)に発動されますが、実際に発動される前に、軽減措置が採られることがあるのか、もしくは今後もありそうなのかを見極めて行くことが目先の焦点のひとつになりそうです。
また、関税政策を含めた米トランプ政権の動きが、米国経済にどこまで下押し圧力となるのかも焦点になります。すでに、米国で公表された経済指標の中には景気の減速を示唆するものが増えており、今週末には雇用統計、来週にはCPI(消費者物価指数)などのインフレ指標、再来週には小売売上高などが控えており、これらを確認しながら、米国の景況感不安に対する答え合わせをしていくことになり、景気減速とともにインフレが再燃する「スタグフレーション」が進行してしまう展開には注意する必要があります。さらに、今月の中旬からは日米の企業決算が本格化するタイミングでもあり、企業が先行きをどのように見ているのかも相場のムードに影響を与えそうです。
テクニカル分析的にも、日経平均が昨年7月11日の取引時間中につけた42,426円の高値から、「弱気相場」の目安とされる20%安が33,940円と、34,000円台を少し割り込んだ水準となっています。今後も一喜一憂しながら株価が推移していくと思われますが、実体経済の動向とともに、34,000円台を維持できるかも注目され、「慌てず、騒がず、怯まず」の姿勢で相場に臨みたいところです。

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