1月18日妥当レンジ 20,600円~22,300円
来期業績予想への懸念がインパクトを持って顕在化へ

2019/01/22

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 
投資のポイント

<IMFは世界経済の成長見通しを今回も引下げ>
■国際通貨基金(IMF)は21日に、世界経済見通しの改定を行い、19年は10月時点の3.7%から3.5%に、20年は同3.7%から3.6%へと引き下げた。米国、中国は据え置いたものの、ユーロ圏は1.6%と10月時点より0.3ポイント引き下げた。ドイツ連邦統計局は18年のGDP成長率が前年比+1.5%であったと15日に発表しており、2%成長が続いた16年、17年より減速感が鮮明になっている。
■21日に発表された中国の10-12月の実質成長率は前年比+6.4%と前期の+6.5%から減速し、2009年1-3月以来の低い伸びとなった。ただし、12月の鉱鉱業生産は前年同月比+5.7%と前月(同+5.4%)から加速。自動車、移動体機器、集積回路など外需産業が米中貿易戦争の影響を色濃く受ける中で、鉄鋼、非鉄、セメントなど内需刺激策によって支えられている構造にあるようだ。
■中国輸出産業の不振は、部品を供給する日本企業への影響が及んでおり、18日に日本電産(6594)が業績下方修正を発表した。3Q決算発表を控えて、下方修正の動きが広がることも考えられ、米中貿易戦争の緩和観測と割安感を理由とした年初からの買戻しも終焉を向かえるものと考える。
■今週は、日銀(22-23日)、ECB(24日)と金融政策決定会合が予定されている。
■米国の政府機関の一部閉鎖が依然として続いており発表が延期された統計も小売売上高(16日)、住宅着工件数(17日)など既に出ている。 打開される目処が経っておらず、影響が懸念される。

<「コンセンサスDI」が急激に悪化>
■「IFIS/TIWコンセンサス225」(アナリストコンセンサス予想EPSを225型に集計)は、前週比でいずれの期間もマイナスとなった(3週連続)。「コンセンサスDI」(前週比プラス企業とマイナス企業の比率)は、来期ベースで50を大きく下回る状態が続いている。米中貿易戦争に対する展望が開けない限り、来期業績見通しへのインパクトは一段と顕在化するものと考えられる。

 

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

20,600円~22,300 (前回20,500円~22,200円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(1月18日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(1月18日)

今期予想EPS 1356.69 (前週 1361.22円)
来期予想EPS 1422.70 (前週 1428.28円)
再来期予想EPS 1543.86 (前週 1548.57円)
今期予想PER 15.23 (前週 14.96倍)
来期予想PER 14.52 (前週 14.25倍)
再来期予想PER 13.38 (前週 13.15倍)
来期予想PBR 1.04 (前週 1.03倍)
来期予想ROE 7.17% 前週 7.23%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.06% (前週 7.15%)

1月18日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 





図1
妥当レンジは予想
EPSの低下がこの先見込まれる中で下方へのシフトが予想されるだけに現状での割安感は長くは続かないと考える。




図2来期予想ベースのプラス企業比率は、 47.142.933.328.430.5
再来期予想ベースのプラス企業比率は、44.151.4%→11.130.545.7
来期予想ベースでは低水準が続く。

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]
出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2014年1月から表示

 

図3
下落(下限)の目処としては、配当利回りがやはり有力か?
!

 

図4
3Q決算発表に向けて、下方修正企業数の拡大が見込まれる。11月時点を上回ると思われ、その規模(社数)によってはインパクトのあるマーケットの下押し要因となる可能性も考えられる。

 

 

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。