今週の注目レポート (9月23日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

 

●椿本チエイン(6371)【 2+→ 2+】
「1Q減益は想定線、海外での自動車部品好調が持続」
1Qの営業利益は前年同期比14%減の41.3億円となった。円高や昨年好調であった国内マテハンの悪化、精機事業における中国での減速機の販売減などが減益に影響した。なお、事業別では自動車部品が国内悪化や円高などによる減益影響を受注豊富な海外好調で吸収し、唯一増益となった。
予想ROE:8.9% PBR:1.1倍、来期予想PER:9.8倍、来期予想EPS成長率:9%
Fモデルによる理論株価:1031円(9月20日by高田悟)

 
●カルソニックカンセイ(7248)【 2→ 2+】
「1Qは順調に発進、営業過去最高益圏での通期着地見込みに変化なし」
1Qは7%営業増益で着地。概ね会社計画線で着地したもよう。円高影響を欧米および中国の操業改善効果で吸収した。また、日本を除く全ての地域セグメントが増益となった。日本は円高に加え、震災影響、三菱自動車(7211、以下三菱)の燃費不正問題、九州での「ローグ」向け立上げ費用、などから大幅減益となった。
予想ROE:11.1% PBR:1.3倍、来期予想PER:9.5倍、来期予想EPS成長率:9%
Fモデルによる理論株価: 1428円(9月23日by高田悟)

 
●小糸製作所(7276)【 2+→1】
「へッドランプLED化や新規受注拡大から販売モメンタムは強い」
株価指標面には必ずしも割安感はないが、1)1Qは円高影響が厳しい中で2桁営業増益となり、販売好調から為替前提を円高方向に見直しつつも1Q決算公表時に上期、通期計画を上方修正したことが評価できる、2)通期計画は再度上方修正となる公算が大きい、3)押し目では中期的成長への期待から買いが入り株価を支えると見る、などから投資評価を「1」に引き上げる。
予想ROE:15.1% PBR:2.8倍、来期予想PER:14.7倍、来期予想EPS成長率:7%
Fモデルによる理論株価:4131円(9月23日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。

こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。 ※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。
※「アナリスト・インプレッション」に関する説明はこちらをご覧下さい。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。