今週の注目レポート (4月28日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●ジーエス・ユアサコーポレーション(6674)【 2+→2+】
「モビリティ(BEV)及び社会インフラへ事業構造を変革」
同社は4月6日にVision2035(長期ビジョン)と23年度(24/3期)~25年度(26/3期)にかけての第六次中期経営計画を発表した。長期ビジョンでは、グローバルでのカーボンニュートラル実現に向けモビリティ領域ではBEV(バッテリーEV)市場が拡大し、社会インフラでは再生可能エネギーの導入拡大伴い変動抑制や需給調整のための蓄電池の重要性が高まる中で、事業構造の変革[自動車(鉛)・産業電池電源→モビリティ(BEV)及び社会インフラへ)を図り社会的な課題解決への貢献を通じ成長目指す。第六次中計はこのための土台作りの期間と位置付ける、などが主なポイントである。
予想ROE:4.5% PBR:0.8倍、来期予想PER:11.2倍、来期予想EPS成長率:42%
株価(4/28終値):2,378円 Fモデルによる理論株価:2,146円(4月26日by高田悟)

●東海理化(6995)【 2+→2+】
「24/3期は連続で営業段階増益を計画」
23/3期決算では計画上振れと増配発表、24/3期は微戦略投資増を見込む中で増益を見込んだことなどがポジティブ。TIWでは、24/3期は計画上振れを見込むこと、利益水準はまだ低いが市場拡大が見込める製品群の伸長と固定費削減及び戦略投資効果により中期的に収益力向上が見込めること、更には、高いキャッシュポジションとROE目標(25年度に8%)から株主還元に一段の強化が期待できること、株価指標面も割安(24/3期TIW予想PER12.1倍、予想配当利回り4.11%等)から投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:4.3% PBR:0.6倍、来期予想PER:9.8倍、来期予想EPS成長率:24%
株価(4/28終値):1,868円 Fモデルによる理論株価:2,741円(4月27日by高田悟)

●ストライク(6196)【 2→2+】
「23/9期は1Qに出遅れるが2Qに挽回が進む」
TIWでは投資評価を「2」→「2+」へ引き上げる。理由は、23/9期2Q(1-3月)単独が同社が強化を図るM&A大型案件の成約組数増加と成約単価の上昇により大幅増収大幅営業増益の好決算となったことがポジティブである、23/9期はスタートの1Q(10-12月)に大きく出遅れたが、2Qに挽回が進んだことや大型案件の受注見通しも堅調もようから大幅増収、2桁営業増益、営業過去最高益更新を見込む23/9期通期計画達成の公算が大きくなったとTIWではみること、1Q決算発表以降の株価の下落でTIWでは悪材料は織り込まれ、株価指標面の割高感も薄れたとみること、などによる。
予想ROE:28.5% PBR:5.6倍、来期予想PER:14.0倍、来期予想EPS成長率:32%
株価(4/28終値):3,625円 Fモデルによる理論株価:3,797円(4月28日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。