今週の注目レポート (2月4日)
【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。
●ウイルプラスホールディングス(3538)【 1→1】
「プライム市場基準適合に向けての取組みによる成長を期待したい」
12月15日に東証市場区分の見直しに関しプライム市場選択の申請書を提出。ただし、流通株式時価総額(基準100億円以上に対し移行基準日42億円)と流通株式比率(同35%以上に対し同33.3%)の2項目が同市場上場基準を充たしていないため基準適合に向け計画書を作成した。計画書の主な内容は26/6期までに時価総額250億円以上、流通株式比率40%以上を目指す。足元の業績も堅調であるにもかかわらず、22/6期TIW予想PER6.2倍などの株価指標面に割安感が強く株価は評価不足とみること、プライム市場上場基準適合に向けた取り組みにも期待が持てるため、目標株価は1,450円(過去最高値更新を予想)を維持し、投資評価は「1」(Buy)を継続する。
予想ROE:18.9% PBR:1.2倍、来期予想PER:6.1倍、来期予想EPS成長率:3%
株価(2/4終値):1,004円 Fモデルによる理論株価:2,380円(1月31日by高田悟)
●ステップ(9795)【 1→1】
「1Q順調により2Qでの合格発表待ち」
22/9期1Qは、期中平均生徒数が前年同期比9.9%増と増加したことにより増収増益で着地。冬期講習もコロナの影響なく順調であった。2月は神奈川県の公立校、首都圏の私立・国立校の入試が実施される。入試結果はブランドの源泉(広告宣伝費をかけずに生徒を集める力)に影響を与えるため公立トップ校合格者数No.1を維持し、どれだけ人数を増やせるかが注目である。仮に公立校トップ校合格者No.1から落ちることがあれば業績予想の修正検討が必要となる。 TIWの「生徒数が順調に伸びており、その背景となる合格実績も伸びている。また、今後10年間の教室展開余地がある」との見方に変更はなく引続き平均利益成長が10%を期待できるとみておりPER15倍以上との評価を変えない。よって、投資評価「1」と目標株価2,300円以上を維持する。
予想ROE:11.1% PBR:1.3倍、来期予想PER:10.1倍、来期予想EPS成長率:13%
株価(2/4終値):1,790円 Fモデルによる理論株価:3,241円(1月31日by山方秀之)
●豊田通商(8015)【 2+→2+】
「中間時点に続き通期計画を上方修正、配当予想も増額修正」
22/3期3Q累計決算は各段階利益が大幅増益となる好決算となった。中でも、トヨタ自動車の生産台数が前年を下回ったにも関わらず、3Q(10-12月)単独業績が確り前年を上回り、通期計画を再度上方修正し年間配当予想を増額修正したこと、再生可能エネルギーを中心に成長・重点分野に費用をかけつつも22/3期は従来予想以上の増益を見込んだことなどがポジティブに評価できる。TIWでは保守的な同社4Q想定から22/3期計画には更に上振れ余地があるとみること、23/3期はトヨタの挽回生産による生産面を中心とした自動車関連事業の好調と、資源国やアフリカでの自動車販売堅調によりコロナ影響からの反動が大きい22/3期からは伸びは鈍化も、連続で増益と純利益過去最高更新を見込むこと、また株価指標面にも割安感があるため、投資評価は「2+」を維持。
予想ROE:12.6% PBR:1.0倍、来期予想PER:7.3倍、来期予想EPS成長率:4%
株価(2/4終値):4,840円 Fモデルによる理論株価:8,632円(2月3日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw〕
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。