今週の注目レポート (7月2日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●トヨタ自動車(7203)【 2+→2+】
「22/3期スタートの生産、販売は主要地域で堅調に推移」
6月29日、5月の販売・生産実績(速報)を発表。同社のグローバル販売台数は9カ月連続の前年超えとなる840千台(前年比145.8%)となった。前年のコロナ影響の反動があるとはいえ5月までの販売、生産は前年を大きく上回り堅調だ。しかし、6月には半導体不足影響から国内工場の一部で生産調整が実施されており目先は生産鈍化が懸念される。ただし、半導体メーカーの供給力改善、販売好調に伴う同社の後半の挽回生産等により半導体不足問題の影響は通期では限定的に留まるとTIWではみている。むしろ、ある程度の同問題の影響は計画に織り込まれており、期初公表の同社計画は従来どおり保守的とみることや為替の円安推移などから、TIWは22/3期の同社計画上振れを予想。堅調な業績展開が見込め株価指標面に特段割高感がないため投資評価は「2+」を維持。
予想ROE:9.8% PBR:1.4倍、来期予想PER:12.1倍、来期予想EPS成長率:6%
株価(7/2終値):9,820円 Fモデルによる理論株価:9,801円(6月30日by高田悟)

●ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544)【 2+→2+】
「関西支社、中国支社、関西支店の開設を発表」
1日、同社は子会社のジャパンエレベータ-サービス関西(株)に新しく、関西支社、中国支社、関西支店を開設したと発表。足元で新拠点開設やM&Aにより事業基盤の強化が着実に進んでいることがポジティブに評価できる。TIWでは22/3期は保有契約台数過去最高更新、2桁営業増益、営業過去高益更新と同社期初計画上振れを見込む。足元で進む事業基盤強化も相俟って保守契約台数シェアがまだ十分に伸ばせるポジションにあり、またもう一方の柱であるリニューアル業務もQuickリニューアル対応可能機種数の増加等により成長が図れるとみること、などから同社の短中期的目標である保守契約台数10万台、営業利益率20%に向かい順調な前進が期待できるため、投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:24.5% PBR:22.1倍、来期予想PER:68.3倍、来期予想EPS成長率:19%
株価(7/2終値):2,561円 Fモデルによる理論株価:531円(7月2日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。