今週の注目レポート (4月16日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●インテリックス(8940)【 2+→2+】
「ストックビジネスのシフトが効いている」
3Q累計(6-2月)決算は増収減益で着地。2Q累計(6-11月)の大幅増益から一転減益となった。理由は、利益率が高い「その他不動産の物件販売」が20/5期3Q(四半期)と比較し半減したからである。
但し、「その他不動産の物件販売」以外は大幅な落ち込みはなかった。21/5期通期業績予想及び配当予想が発表された。通期業績予想は増収大幅増益である。3Q累計までは減益であるが4Qにその他不動産の物件販売(港区六本木・3月売却済)等で30億円の売上が予定されているため大幅増益の予想となっている。
予想ROE:10.3% PBR:0.7倍、来期予想PER:6.0倍、来期予想EPS成長率:4%
株価(4/16終値):804円 Fモデルによる理論株価:1,546円(4月14日by山方秀之)

●東京個別指導学院(4745)【 2+→2+】
「回復フェーズから過去最高の業績達成フェーズへ」
21/2期は減収大幅減益で着地した。1Q(3-5月)に休校や生徒獲得が出来ず生徒数を減らしたことが減収の主要因である(当然減益の主要因でもある)。しかし、2Q以降は生徒数が回復傾向を示し、3Qから4Q(8-2月)は過去最高の入会者数を記録しており、回復フェーズの終わりが見えた決算であった。但し、コロナ前に教室投資や人材投資を行っていたためとコロナ対策の投資(オンラインや感染対策)を行ったことにより利益は大幅減となった。
予想ROE:17.7% PBR:4.3倍、来期予想PER:19.1倍、来期予想EPS成長率:27%
株価(4/16終値):627円 Fモデルによる理論株価:677円(4月15日by山方秀之)

●ネクステージ(3186)【 2+→1】
「21/11期1Qは質重視の販売により大幅営業増益で発進、営業利益は過去最高」
1Q決算では、採算重視の販売戦略に徹した結果、小売販売台数は前年並みに留まったが、ストック型ビジネス(車検・保険)の順調な拡大と台当たり粗利の向上により売上高と営業利益は1Qとしては過去最高を確保し、大幅営業増益で着地したことが評価できる。更には、TIWでは1Qの好発進から21/11期は同社上期、通期計画の上振れを見込むこと、中期的にも(1)中古車市場の拡大、(2)シェア拡大、(3)規模拡大によるストック型ビジネスの拡大、(4)質重視の販売継続や買取店出店加速と自社供給拡充による採算の向上、(5)既存店の年数経過による粗利益率向上傾向の持続、などにより高成長を見込む中、TIW21/11期予想PER17.6倍などの株価指標面も割安とみるため投資評価は今般、前回の「2+」から「1」へ引き上げる。
予想ROE:24.3% PBR:4.3倍、来期予想PER:14.7倍、来期予想EPS成長率:20%
株価(4/16終値):1,789円 Fモデルによる理論株価:1,851円(4月16日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。