今週の注目レポート (2月19日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●マツダ(7261)【 2→1】
「3Q単独は売上横ばいも大幅営業増益、来期への期待が膨らむ好決算」
21/3期3Q累計(4-12月)決算は大幅営業増益となり損益分岐点の低下、収益体質の改善を示すとともに来期への期待を膨らませる好決算となった。また、販売ミックスの改善、主要米国での販売改革・販売好調等により通期計画を大幅に上方修正、4Qは販売回復に伴う出荷増と体質改善が相俟って3Q以上の業績を同社が見込むこと、電動化対応にも進展(欧州で昨年9月から導入した「MX30」のEVモデルは堅調な販売が継続)がみられたことなどがポジティブに評価できる。TIWでは22/3期は増益を予想。損益分岐点の低下、商品力の向上、販売台数回復による持続的な収益力及び業績回復局面に入ったとみるため、投資評価を「1」へ引き上げる。
予想ROE:-4.3% PBR:0.5倍、来期予想PER:8.9倍、来期予想EPS成長率:na%
株価(2/19終値):859円 Fモデルによる理論株価:na円(2月15日by高田悟)

●メック(4971)【 2+→2+】
「主力のCZ好調で大幅増益、来期も期待」
20/12期は売上高119億円(前年同期比10.0%増)、営業利益23億円(同44.8%増)、経常利益23億円(同38.7%増)、純利益15億円(同29.1%増)、と増収大幅増益で着地した。引き続き巣籠やテレワークの拡大によるPC、タブレットが好調であり、それに合わせて通信量拡大によるサーバー向けも伸びた。これまでの同社成長シナリオである「ここから何年かは収益性が高いサーバー向け、5Gインフラ向けの拡大期待が大きい」に変更はない。株価評価は予想PER(2/15)が1部上場化学企業平均31.16倍を下回っており割高感はないため投資評価「2+」を維持する。
予想ROE:10.5% PBR:2.5倍、来期予想PER:18.9倍、来期予想EPS成長率:21%
株価(2/19終値):2,093円 Fモデルによる理論株価:1,966円(2月16日by山方秀之)

●TOYO TIRE(5105)【 1→1】
「21/12期は北米での大口径タイヤ販売好調等を想定し2桁営業増益を計画」
20/12期決算は、コロナ影響から減益とはなったが、主要北米市販用での強みとする大口径ライトトラック用やSUV用タイヤの販売好調、国内市販用での付加価値商品の販売好調等により主力のタイヤ事業で営業利益率は12.5%と高水準の利益率を確保したことが評価できる。21/12期は20/12期比21.1%営業増益を計画。能力増強が進む北米を中心としたタイヤ販売好調等による主に販売面の増益影響で原材料高や為替変動等による減益影響を吸収する。期初の北米で、大口径の中でもより大口径のタイヤ販売が好調なもようから同社21/12期の計画上振れを予想する。
予想ROE:11.7% PBR:1.3倍、来期予想PER:9.8倍、来期予想EPS成長率:8%
株価(2/19終値):1,895 円 Fモデルによる理論株価:2,764円(2月19日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。