5月24日妥当レンジ 20,600円~22,300円
消費増税の再延期期待萎む/米中の合意は遠い

2019/05/28

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 
投資のポイント

<「景気は穏やかに回復している」との認識を維持>
■24日の5月の月例経済報告において、政府は「回復」の認識を維持した。輸出や生産に関しては、「一部に弱さがみられる」から「弱さが続いている」と下方修正したものの、雇用情勢や企業収益が堅調なことを認識維持の理由に挙げた。6月26日の国会会期末までに発表される経済指標にもよるが、消費増税の再延期の可能性は大きく後退したと思われる。
■米国が中国の華為技術(ファーウェイ)への事実上の禁輸処置を発表したことに関連して、電子部品や半導体製造装置などの企業業績への影響が市場では懸念されている。22日発表の4月の貿易統計においても中国向けの輸出は▲6.3%の減少だった。全体でも輸出は金額で▲2.4%(5ヵ月連続のマイナス)、数量で▲4.3%(6ヵ月連続のマイナス)と奮わない。
■欧州議会選挙(23~26日)は、親EU派が過半数を維持したものの、EUに懐疑的な急進勢力が3割の議席を獲得した。メイ首相の退任が決定し、混沌とする英国も含めて欧州状勢は再び揺れはじめた。
■今週は、5月の中国製造業PMI(31日:国家統計局)に注目が集まるだろう。再び50割れするようであれば、マイナス影響がさらに広がることも考えられる。

< 「IFIS/TIWコンセンサス225」は全期間マイナスに>
■「IFIS/TIWコンセンサス225」(アナリストコンセンサス予想EPSを225型に集計)は、前週比で全期間マイナスとなった。今後も米中貿易戦争の新局面を織り込む展開が予想され、下方トレンドが続くと考えられる。
■日経平均株価の妥当レンジも前週より下方にシフトした。米中の合意の可能性が見えない中では、株価の反転は期待し難く、経済指標の悪化を織り込みつつ、水準を徐々に切り下げる展開が続くと考えられる。

 

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

20,600円~22,300 (前回20,900円~22,600円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月24日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月24日)

今期予想EPS 1402.89 (前週 1423.01円)
来期予想EPS 1474.55 (前週 1501.31円)
再来期予想EPS 1571.58 (前週 1593.94円)
今期予想PER 15.05 (前週 14.93倍)
来期予想PER 14.32 (前週 14.15倍)
再来期予想PER 13.44 (前週 13.33倍)
来期予想PBR 1.01 (前週 1.01倍)
来期予想ROE 7.07% 前週 7.15%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.11% (前週 7.18%)

5月24日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

  








図1
コンセンサス予想は、前週比で今期・来期・再来期のいずれもが
20円台の減少。米国の中国に対する追加関税の第3弾発動によって、その影響を織り込む展開が今後も続きそうだ。


 




図2来期予想ベースのプラス企業比率は、 45.565.666.254.5%→40.6
再来期予想ベースのプラス企業比率は、40.260.255.2%→54.5%→48.1
コンセンサスDIは再び50%割れ。このトレンドが続く限りは頭の重い下げ相場が続きそうだ。

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2014年1月から表示

 

 

 

 

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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