日経平均27,000円台に急上昇、週明けはもっと上昇?~2022年7月22日版~
今週は、日経平均株価が終値ベースで約720円上昇したのを見て「よし、ここから日本株も上昇だ!」と、ここからの上昇を期待している人はいますか?
反対に、先週までの膠着状態、無風状態だったので「また、ボックス圏を上抜けできずに跳ね返されるのではないか…」と心配な人はいますか?
日経平均株価は、今週急上昇し、これまでの26,000円台から27,000円台に回復し、再び上昇するような予兆が見られます。
ですが、ここまで軟調に推移してきたこともあり、さらに上昇することを期待して良いのか…それとも、まだ下落方向に動くことを考えたほうが良いのか…何とも判断が難しい状況に突入しています。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは7/7~7/21の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、先週に続き、日経平均株価と株式市場全体の動向が、ほぼ連動している週でした。
ただし、詳細を見ると7/20、7/21は、日経平均株価を基準にトレンドを把握している投資家と、私たちのように株トレンド指数で市場全体を基準にトレンドを把握している投資家に差異があった可能性が高いでしょう。
特に7/20は、日経平均株価が、終値ベースで約720円上昇し、26,000円台を抜け、27,000円半ばまで上昇した日でした。この上昇は円で見ると、とても大きな上昇に見えますが、割合で見ると、2.67%の上昇です。
日経平均株価の変動を割合で捉えている投資家であれば良いが、円で捉えている投資家は、体感でとても上昇いると判断したかもしれない。
しかし、株式市場全体を見ると、日経平均株価の上昇割合が2.67%が示すように、それほど大きな上昇には至らなかった。
むしろ、7/21の日経平均株価が小幅上昇したときのほうが、天井指数は伸び市場全体は上昇している。
ちなみに、過去の上昇時を見ると、先に日経平均株価が上昇し、後日、市場全体が上昇するケースはよく見られます。
例えば、今回のように、日経平均株価は小幅上昇なのに、市場全体は上昇していることや、日経平均株価は下落しているのに、市場全体は上昇しているなどが、よく見られます。
そして、このようなタイミングに、日経平均株価を基準にトレンドを捉える投資家と、私たちのように株トレンド指数でトレンドを捉える投資家に差異が生じ、獲得する利益の違いを生じさせる原因の一つと考えられます。
このように、日経平均株価と株式市場全体の動向が、ほぼ連動している週であったとはいえ、細部を見ると差異があるので、どちらを基準にトレンドを把握するかで、今週の対応や、ここからの戦略の考え方が違ってくるでしょう。
では、その現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。
直近2ヶ月の状況を見ると、今週の株式市場は、日経平均株価を基準に見ると、上昇はしていますが、まだボックス圏にいると読み取れます。
株トレンド指数を見ると、先週の無風状態が一変して、上昇に向けたトレンドが発生しつつあることが読み取れます。
このように、日経平均株価が、まだボックス圏にいるとはいえ、上昇していることと、株トレンド指数の発生状況を見ると、株式市場全体が上昇しようとしている動きが見られます。
株トレンド指数の発生状況を見ても、まだ天井指数に上昇の余地があります。直近で言うと6月上旬に60を超えたときがあるように、まだ上昇の入り口付近と読み取れます。
その一方で、日経平均株価を基準に見ると、そろそろボックス圏の上値に到達しますので、ここで失速し、再び下落方向に動く可能性もあります。
これまでと違って、底値指数が0になるなど、下落方向への動きがないだけに、ここから上昇が加速することを期待したいところですが、そこは中立に見ておくのが良いでしょう。
あくまでも、ボックス圏の中での上下ですので、再び同じように上抜けすることなく跳ね返られることと、このまま上抜けする両方のシナリオを想定しておくのが良いでしょう。
今週のポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、先週から発生してきた上昇へのパワーが、更に加速したと考えられる。ただし、ここからボックス圏を上抜けするような上昇トレンドが発生するかは、まだ判断が難しい。
なお、そのような中、一つ明るい材料なのは、空売り指数が「10」を回復したことである。空売り指数が10を下回ると、下落リスクを伴う上昇であるが、7/21時点で12まで回復している。
まだ、楽観視できる状況ではないが、先週と比較して、ここから上昇する準備が、市場全体にできていると考えられる。
OVER指数を見る限り、ようやくボックス圏を抜けるような予兆は見られる。しかし、まだ高い確率で判断できる材料が揃っていないので、中立に見ていくのが良いだろう。
仮に、ここから上昇しても、ボックス圏の上抜けせずに、再び跳ね返される可能性も十分にある。よって、もし上昇が見られても、跳ね返されることも想定しながら、OVER指数の動向をみていくと良いだろう。
(※引き続き、OVER指数の監視が必須)
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、先週までの流れが止まり、下落リスクがとても小さくなったと考えられる。
RISK指数は、7/21に2桁のマイナス圏に入った。また、年間でも珍しいことだが、底値指数が7/20、7/21の2日連続で「0」である。
完全にリスクがないということは決して言えないが、この2日間は、限りなく下落リスクが小さい状況になったと読み取れる。
また、先週までは上昇するパワーと下落するパワーが均衡状態であったが、今週はOVER指数が加速し、RISK指数が失速し始めたので、均衡状態が崩れつつあると考えられる。
それを考慮すると、再びボックス圏を上抜けできず跳ね返られて下落することも想定されるが、短期的に見ると、市場全体の下落リスクは、とても小さくなったと考えられるだろう。
ただし、完全にリスクがなくなることはない。あくまもで市場全体の上昇するパワーが大きくなったことで、下落するパワーが失速しているので、このバランスが崩れた瞬間、下落リスクがあることを念頭に置いておくと良いだろう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/7/21時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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