日本株の小型株優位は続くか?外部環境などから小型株優位は続く見通し

日本株の小型株優位は続くか?外部環境などから小型株優位は続く見通し

 

【ポイント1】小型株効果が顕著

緩やかな景気回復などが要因

 

■株式市場のアノマリ-(明確な根拠がない相場のクセ)として割安株効果、小型株効果などが知られています。日本株の小型株効果について2010年以降でみると、ほぼ一貫して小型株優位の展開が続いています。

■小型株効果の要因として、①業績、財務などの情報が少ない、②相対的に信用リスクが高い、③発行株数が少なく、創業者の保有ウエイトが高い場合もあり流動性が低いことがあげられます。これらのため、小型株は株価が成長に対して割安に放置される傾向があるといわれています。

■2010年以降の日本株は金融緩和の中、景気回復が緩やかであったため、景気敏感の大型株が選好されず小型株優位が続いていると見られます。

 

 

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【ポイント2】小型株の特性

非製造業中心、効果には季節性

 

■輸送用機器、電気機器など輸出の多い製造業のウエイトの高い大型株に対して、小型株の業種構成は内需関連のサ-ビス、消費などの非製造業が大部分を占めます。内需中心の小型株は大型株と比べると為替との連動性が相対的に低い傾向があります。

■小型株効果には季節性がみられます。過去30年の実績では小型株効果は1-6月に有効な傾向があり、中でも1月、6月の有効性が大きくなっています。

 

 

【今後の展開】今後も当面は小型株効果が継続見込み

 

■今後小型株の優位が続くかを過去の局面から見てみます。小型株効果が有効でない局面は、①2000年のITバブル、2006年のライブドアショック時のように著しい割高まで小型株が上昇した後の局面、②世界的な景気拡大を背景に、円安・株高となり、外需・景気敏感の大型株が選好される局面、③日本の株式市場全体が急落する際にリスク許容度が縮小して、流動性の低い小型株が回避される局面などがあります。

■現時点ではいずれにも該当しておらず、急騰により過熱した場合には注意を要しますが、当面は小型株優位の状況が続く可能性が高いと見られます。

 

 

(2017年 6月28日)

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