「街角景気」は一服感が続く(日本)
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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。 |
【ポイント1】現状判断DIは2017年1月以降、低下傾向
来客数・販売量の落ち込みや消費は慎重な姿勢が指摘された
■3月調査では、「街角景気」の実感を示す「現状判断DI(季節調整値)」が前月比▲1.2ポイントの47.4ポイントと、2017年1月以降の低下が続いています。項目別では、飲食関連や住宅関連の低下が大きく、これらを含む家計動向関連の他に、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが低下しました。
■街角の声では、「前年と比べ来客数、販売量がここ数カ月で最も落ち込んでいる」(中国・スーパー)や、「分譲マンション購入時の商談に要する時間が長くなってきており、客の歩留まり率も低下している」(北海道・住宅販売会社)など引き続き消費に慎重な姿勢が見られました。
【ポイント2】先行き判断DIも中立水準割れ
様々な値上げと節約傾向への懸念が聞かれる
■2~3カ月先の景気を聞いた「先行き判断DI(季節調整値)」は、同▲2.5ポイントの48.1ポイントと再び低下に転じました。飲食関連や小売関連に加え、雇用関連が大幅に低下しました。
■街角の声には、「トイレットペーパー等の紙類、サラダ油等の値上げが予定されている。今後、更に節約志向が高まりそうである」(北陸・スーパー)や、「電気料金の値上げや為替変動等による輸入原材料の値上げが予測される。可処分所得の上昇は望めないため、余分なものは買わない傾向は、しばらく続く」(北関東・スーパー)と今後の様々な値上げと、それによる節約志向が続くことへの懸念が聞かれました。
【今後の展開】消費は当面慎重姿勢が続くものの、底堅く推移する見込み
■現状判断DI、先行き判断DIともに低下し、中立水準の50ポイントを割り込みました。内閣府の景気判断では「持ち直しが続いているものの、引き続き一服感がみられる」としています。当面は消費への慎重な姿勢が続きそうですが、労働市場では人手不足感もあり、賃金も緩やかに上昇しているため、今後も消費は底堅く推移しそうです。
(2017年 4月 12日)
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