アンソロピック・ショックやSaaS崩壊論に関する考察
2026年の日本株見通しを上方修正
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- 米アンソロピックは1月30日以降、法務・財務分析の自動化など、AIの新機能を立て続けに発表。
- いわゆるアンソロピック・ショックにより関連銘柄が大きく下落、市場でSaaS崩壊論も広がる状況に。
- 足元の関連銘柄の下げは行き過ぎとみられアンソロピック・ショックも米国のダイナミズムと解釈可能。
米アンソロピックは1月30日以降、法務・財務分析の自動化など、AIの新機能を立て続けに発表
人工知能(AI)開発の米新興企業、アンソロピックは1月30日、AIエージェント「Cowork(コワーク)」に新機能を追加し、法務・財務分析などの専門的な業務の自動化にも対応すると明らかにしました(図表1)。テキストや画像などのコンテンツを自動生成する生成AIに対し、AIエージェントは、目標達成のために自ら計画を立て、さまざまなツールを使い分けながらタスクに取り組むなど、自律的に動作することを特徴としています。
アンソロピックはその後、2月5日に最新AIモデル「Claude Opus 4.6(クロードオーパス4.6)」を発表し、金融分析に優れた性能が示されました。20日には、AIモデルに追加した脆弱性管理機能「Claude Code Security(クロード・コード・セキュリティ)」を発表し、また23日にはブログの記事で、クロード・コードを使えば、旧式のプログラミング言語「COBOL(コボル)」の近代化を支援できると説明しました。
いわゆるアンソロピック・ショックにより関連銘柄が大きく下落、市場でSaaS崩壊論も広がる状況に
米国株式市場では、1月30日以降、アンソロピックが新しいAI機能を発表するたびに、関連する企業の株価が大きく崩れる動きが繰り返され、これら一連の現象を「アンソロピック・ショック」と指摘する向きもみられます。1月30日に発表された法務・財務分析の自動化機能は、既存の業務ソフトを代替するとの見方が広がり、セールスフォースなど業務ソフトを提供する企業の株価は大きく下落しました(図表2)。
2月5日の発表後は、金融サービス関連銘柄に、20日の発表後はサイバーセキュリティ関連銘柄に、それぞれ売りが広がりました。なお、セールスフォースなどの企業は、クラウド経由で業務用ソフトを提供するサービス「SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」を手掛けていますが、今後はAI エージェントに取って代わられ、SaaSのビジネスモデルが崩壊するという懸念も市場に広がっています。
足元の関連銘柄の下げは行き過ぎとみられアンソロピック・ショックも米国のダイナミズムと解釈可能
SaaS崩壊論について、市場ではさまざまな意見が聞かれますが、関連銘柄の下げは行き過ぎとの見方も多いように思われます。確かに、既存の全ソフトウェアがAIエージェントによって直ちに完全代替されてしまうというようなことは、あまり現実的ではないと考えられます。ただ、長期的にみた場合、時間の経過とともに、AIエージェントの機能が向上すれば、既存ビジネスへの影響も大きくなることが予想されます。
そのため、今後、SaaSを手掛ける企業には、AIを上手く活用してサービスを高度化・効率化し、ビジネスモデルを発展させて企業価値向上につなげることが求められると考えます。米国ではIT(情報技術)の革新サイクルが5~6年周期に発生するとの分析もあり、今回のアンソロピック・ショックも、その流れのなかにあるとすれば、むしろ米国企業や米国市場のダイナミズムという前向きな解釈ができると思われます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
(2026年2月25日)
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