高市首相記者会見を踏まえた衆院選の焦点と国内金融市場への影響

2026/01/20

高市首相記者会見を踏まえた衆院選の焦点と国内金融市場への影響

  • 高市首相は衆院解散を正式に表明し、自身の進退をかけ「与党で過半数」を勝敗ラインに設定。
  • 高市氏は財政規律に対する一定の配慮と行き過ぎた円安に対する為替介入の実施を示唆した。
  • 衆院選の結果が市場に与える影響については、財政政策が市場の信認を得られるか否かが重要。

高市首相は衆院解散を正式に表明し、自身の進退をかけ「与党で過半数」を勝敗ラインに設定

高市早苗首相は1月19日、首相官邸で記者会見を開き、1月23日に召集される通常国会の冒頭で衆議院を解散し、衆議院選挙を1月27日公示、2月8日投開票の日程で行うことを正式に表明しました。高市氏は「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく」と述べ、内閣総理大臣としての進退をかけ、勝敗ラインを「与党で過半数」と設定しました。

また、飲食料品は「2年間に限り、消費税の対象としない」とし、今後設置される国民会議で「実現に向けた検討を加速します」と明言しました。財源についての詳細な説明はありませんでしたが、特例国債(赤字国債)には頼らないスタンスを明確に示しつつ、「補助金や租税特別措置の見直し」や「税外収入などといった歳出・歳入全般の見直し」を例に挙げました。

高市氏は財政規律に対する一定の配慮と行き過ぎた円安に対する為替介入の実施を示唆した

高市氏は、「責任ある積極財政」のもと、強い経済を実現する第1の柱は「危機管理投資」、第2の柱は「成長投資」であり、2026年度の当初予算はその第一歩と述べました。そして、当初予算については、プライマリーバランスを28年ぶりに黒字としたことや、新規の国債発行額をリーマンショック後2番目に低い水準である29.6兆円におさえたことなどに言及し、一定程度、財政規律に配慮していることを示唆しました。

また、高市氏は円安の進行について、「為替の変動など、マーケットで決まることにつきましては、私のほうから特にコメントすることはございません」との立場を示しました。一方で、「投機的な動きなどにつきましては、これはしっかりと注視をしてまいります」、「日本国としても必要な対応を打ってまいります」と述べ、行き過ぎた円安の進行に対しては、為替介入の実施を示唆しました。

衆院選の結果が市場に与える影響については、財政政策が市場の信認を得られるか否かが重要

高市氏が衆院解散を正式に表明したことで、ここから実質的な選挙戦に突入していきます。市場では、各党が掲げる公約や、多くの党が公約に盛り込むと思われる消費税減税(食料品で年5兆円程度の税収減)の財源、逐次報道される選挙情勢などが焦点になると思われます。なお、立憲民主党と公明党が立ち上げた新党「中道改革連合」は、食料品の消費税率ゼロを公約の柱とし、政府系ファンドの創設や政府基金の活用などを財源に挙げています。

高市氏は飲食料品の2年間の消費税減税について、「検討を加速」するとの表現にとどめており、公約にどのような形で盛り込まれるのか注目されます。衆院選の結果が国内金融市場に与える影響について、現時点で想定される動きを図表にまとめましたが、やはり財政政策が市場の信認を得られるか否かが重要な要素になると思われます。なお、これらの動きは、今後明らかになる各党の公約や選挙情勢によっても変化することが予想されます。

 

 

 

 

 

(2026年1月20日)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
市川レポート 経済・相場のここに注目   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ