日経平均株価は5万円を超えて上昇~今後の相場を展望する

2025/10/27

日経平均株価は5万円を超えて上昇~今後の相場を展望する

            • 米国株の堅調推移や、米中の緊張緩和を好感し、日経平均は50,000円の節目を超えて上昇。
            • 目先は日米主要企業の決算における業績見通しや高市首相の国会運営の手腕が注目されよう。
            • 日経平均は長期上昇トレンドの上値抵抗線をすでに上抜けており50,000円は通過点の可能性。

    米国株の堅調推移や、米中の緊張緩和を好感し、日経平均は50,000円の節目を超えて上昇

    日経平均株価は10月27日の朝方、50,000円の節目を超えて上昇しました。先週21日には、取引時間中に一時49,945円95銭をつけ、50,000円に迫る場面もみられましたが、その後は売りに押され、23日には48,399円05銭まで値を下げる展開となりました。日経平均が週明けに大きく上昇した主な背景には、米国株の堅調推移や、米中の緊張緩和があると思われます。

    米国では10月24日、9月の消費者物価指数が市場予想を下回る伸びとなり、追加利下げへの期待が強まったことなどから、ダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数はそろって過去最高値を更新しました。また、ベッセント米財務長官は26日、米ABCニュースのインタビューで、中国側がレアアース輸出規制を1年間延期し、米国による100%の対中追加関税は回避されるとの見通しを示しました。

    目先は日米主要企業の決算における業績見通しや高市首相の国会運営の手腕が注目されよう

    なお、日本経済新聞社とテレビ東京が10月24日~26日に実施した世論調査では、高市内閣の支持率が74%に達しており、これも株価を押し上げた要因の1つと考えられます。日経平均のこのところの上昇を受け、株価収益率(PER)は19倍に近づきつつあり、割高感が意識されますが、1株当たりの予想利益が増加傾向にあるため(図表1)、足元の株高は利益見通し改善の裏付けがあるとも解釈できます。

    今週は、米大手ハイテク企業を含む日米主要企業の決算発表が予定されており、企業側から良好な業績見通しが示されるか否かに注目が集まります。また、高市首相は今週28日の日米首脳会談を終えた後、11月には経済対策の閣議決定、12月には2025年度補正予算の成立および2026年度当初予算案と税制改正大綱の閣議決定の予定がそれぞれ控えており、これらのスムーズな進行の成否も市場の関心材料です。

    日経平均は長期上昇トレンドの上値抵抗線をすでに上抜けており50,000円は通過点の可能性

    日経平均を長期の視点でみると、2012年以降、上昇トレンドを形成していることが分かります(図表2)。日経平均は2020年のコロナ・ショックで下値支持線を割り込んだものの、一時的なものにとどまり、2024年8月の急落(令和のブラックマンデー)では下値支持線を割り込むことはなく、2025年4月の米関税ショックでも下値支持線でしっかりサポートされました。

    なお、日経平均は直近で上値抵抗線をすでに上抜けており、より右肩上がりの上昇トレンドが形成されつつあり、この点を踏まえると、日経平均の50,000円は単なる通過点となる可能性が高いように思われます。また、すでに日経平均の水準自体がかなり切り上がっているため、多少大きめの調整が発生しても、上昇トレンドが大きく崩れる恐れは小さくなっていると考えられます。

 

  • (2025年10月27日)
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