チャートが示唆する日経平均株価の目先の方向性
チャートが示唆する日経平均株価の目先の方向性
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- 日経平均は、アベノミクスへの期待が高まった2012年秋口以降、長期上昇トレンドが続いている。
- FRBは下値支持線は昨年末26,350円に位置していたが、日経平均はこの水準を下回って取引を終了。
- 年明け後も下値支持線の下放れが続いており要注意だが、長期上昇トレンド終了の判断は早計。
日経平均は、アベノミクスへの期待が高まった2012年秋口以降、長期上昇トレンドが続いている
日経平均株価は、2013年5月高値と2018年1月高値を結んだ「上値抵抗線」と、2012年10月安値と2016年6月安値を結んだ「下値支持線」によって、長期的な上昇トレンドを形成しています(図表)。起点となった2012年の秋口は、いわゆるアベノミクスへの期待が高まった時期であり、日経平均株価はここから10年ほど、トレンドを形成する2本線の中でおおむね推移してきました。
日経平均株価はこの間、2015年8月の「チャイナ・ショック」では、2015年8月から2016年6月まで28.1%下落し(終値ベース、以下同じ)、2018年秋口の米中貿易摩擦問題の悪化では、2018年10月から12月まで21.1%下落しました。いずれも、直近高値から20%を超えて下落し、弱気相場入りとなりましたが、下値支持線を大きく割り込むことはありませんでした。
下値支持線は昨年末26,350円に位置していたが、日経平均はこの水準を下回って取引を終了
しかしながら、2020年春先の「コロナ・ショック」で、日経平均株価は2020年1月から3月まで31.3%下落し、下値支持線を大きく下抜けました。未知の新型ウイルスに対する先行き不透明感から、株式市場は一気にリスクオフ(回避)に傾きましたが、図表のローソク足(月足)をみると、2020年6月には下値支持線と上値抵抗線の中に戻っており、下値支持線の割り込みは一時的なものにとどまりました。
これら過去の値動きを踏まえると、日経平均株価の長期上昇トレンドは、相応に強いものと判断されます。なお、上値抵抗線と下値支持線は、2022年12月末時点で、それぞれ32,650円、26,350円に位置していました。そのため、2023年も日経平均株価の長期上昇トレンドが継続するか否かをみる上で、2022年12月30日の終値に注目していましたが、日経平均株価は26,094円50銭と、下値支持線の水準を下回って2022年の取引を終えました。
年明け後も下値支持線の下放れが続いており要注意だが、長期上昇トレンド終了の判断は早計
日経平均株価の終値は、2022年12月19日には27,000円台でしたが、日銀が12月20日に、長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)における10年国債利回りの操作目標(ゼロ%程度)の許容変動幅を、上下0.25%から0.5%へ拡大することを決めると、同日の終値は26,000円台に低下し、その後、12月30日まで27,000円台を回復することはありませんでした。
日経平均株価は、年明け以降も下値支持線を下放れる動きが続いており、目先はやや注意が必要です。仮に25,000円を割り込む展開となれば、弊社が予想する1-3月期の日経平均株価の下限である24,300円や、株価純資産倍率(PBR)1倍水準の23,700円辺りが目安になると思われます。なお、下値支持線の割り込みが、一時的なものにとどまることも、まだ十分想定されるため、長期上昇トレンド終了の判断は早計と考えます。
(2023年1月6日)
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