次の米利上げは6月か7月に
1.政策金利見通しを市場の見方にさや寄せ
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決めました。あわせて公表された経済見通しでは、2016~18年の経済成長率や物価見通しを下方修正するとともに、政策金利見通しを大幅に引き下げました(図表1)。事前予想より、利上げに慎重な姿勢であったことから、米株式市場、債券市場には買い安心感が広がりました。ドルについては、早期の利上げ観測が後退したことから、軟調な動きになりました。
FOMC委員の今年の政策金利見通しについては、年4回の利上げから年2回に大きく引き下げられ、市場の織り込み(年内1~2回の利上げ)にさや寄せした格好となりました。もっとも、今年1回の利上げを見込む委員が17人中1人に対し、3回以上の利上げを見込む委員は17人中7人と、利上げに前向きな委員が多い状況。また、2017年、2018年についは、利上げペースは変わっていません。むしろ、2018年については利上げペースがやや速まっています。2017年については年4回、2018年については4~5回の利上げ見通しとなっており、足元は原油安などの影響により、低インフレが続くものの、来年以降はこの影響が後退し、労働市場が引き続き力強さを増せば、インフレ率が加速するとの見方のようです。
2.6月もしくは7月に利上げなら、以降の着実な利上げペースを意識
今後は次の利上げの時期が注目されます。イエレンFRB議長は、4月のFOMCでも利上げを実施する可能性があるとしていますが、確度が高いのは6月もしくは7月とみられます。市場の政策金利の織り込みは、今年1~2回の利上げで、FOMC委員の年2回より若干少ない状況です(図表2、3)。6月もしくは7月に利上げが実施されると、今回とは逆に、市場の織り込みがFOMC見通しに若干ながらもさや寄せすることになり、その後の利上げについての意識も強まる可能性があります(図表4)。
6月は23日に欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票を控えるため、利上げを見送る可能性があるものの、その場合には7月の利上げの有無が注目されることになります。しばらくは、原油など資源価格の動向、米労働市場の改善度合いや賃金動向などを確認しながら、利上げのペースを占うことになります。
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