FRBは利上げ幅を縮小、利上げ停止が近づく
▣ 予想通り0.25%の利上げ
米連邦準備理事会(FRB)は1月31日、2月1日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り0.25%の利上げを決め、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利を4.5~4.75%に引き上げました。利上げ幅は2会合連続で縮小しました。
声明文では、「インフレはいくぶん和らいだ」との文言を盛り込んだ一方、「継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になる」との文言は据え置き、利上げを継続する姿勢を示しました。ただ、今後の政策金利について、「引き上げペースを決定する上で」から「どの程度引き上げるかを決定する上で」に変更したことから、利上げ停止も視野に入ってきている可能性があります。
▣ インフレ鈍化も慎重姿勢
パウエルFRB議長は、「ディスインフレ(インフレ鈍化)のプロセスが始まったと初めて言うことができるが、まだインフレ緩和の初期段階」、「食品、エネルギー、住宅を除くインフレは高いままで、インフレ勝利宣言は時期尚早」と慎重な見方を示しました。
また、「物価の動向が見通し通りなら、年内の利下げは適切ではない」と2023年中の利下げについては否定的な見解を示しました。利上げ停止について議論したかについては明言しませんでした。
▣ 利上げ停止の後は、年内の利下げの有無が焦点に
2022年12月の前回会合でのFOMC参加者の政策金利見通しでは、2023年に政策金利が5.125%に到達するとしており、3月、5月の会合でそれぞれ0.25%政策金利を引き上げ、利上げを停止するとの見方もできます。
市場では、3月会合での0.25%の利上げはほぼ織り込んでいますが、5月会合については利上げせずの確率が5割を超えています。
少なくとも5月の会合で利上げが打ち止めになるとの織り込みは進んでいますが、その後はピークの水準を維持する姿勢を示しているFRBと、2023年後半には利下げもあり得るとの織り込みとなっている市場との乖離は解消されていません(図表1)。
目先は、いつ利上げが打ち止めとなるかが注目されますが、その後は雇用統計や物価指標などを確認しながら、年後半の利下げの可能性を探っていくことになりそうです。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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