GPIF、株式相場の一段の調整なら株買い、債券売りも
▣ 7四半期連続の黒字
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2月4日、2021年10-12月期の運用実績を公表しました(図表1)。国内株は小幅に下落した一方、景気回復への期待感などから米国を中心に上昇した外国株式が大きく寄与し、運用益はプラス5兆4,372億円と、7四半期連続のプラスとなりました。
▣ 外国株式、外国債券の構成割合が上昇
GPIFは2020年度から、基本ポートフォリオについて、前年度までの国内債券 35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%の構成割合を変更し、それぞれ25%としました。また、為替ヘッジ付き外国債券と円建て短期資産を国内債券に、外貨建て短期資産を外国債券に合算しました。
2021年10-12月期は、国内債券、国内株式の構成割合が低下した一方、外国債券、外国株式の構成割合が上昇しました。
昨年9月末に構成割合が26%を上回った国内債券については、3兆円を超える売り越しとなり、構成割合が25%弱まで低下しました。外国債券については、若干売り越したものの、堅調な市場の動きを受け、構成割合が上昇しました。
国内株式については、相場が小幅に下落し、構成割合が25%を下回ったことから1兆円程度買い増しした模様です。昨年9月末に24%程度だった外国株式の構成割合については、相場の上昇で大きく資産額が押し上げられたことから、25%を上回りました。また、構成割合が大きく上昇したことを受け、1兆2,500億円程度の売却があったとみられます。
▣ 株式相場が調整する局面では、株買い、債券売りも
足元の国内債券の構成割合は試算では昨年12月末と比べ上昇、外国債券、国内株式についてはほぼ同水準です。また、外国株式の構成割合は25%付近まで低下しているとみられます。
今後、相場が大きく動かないことを前提にすると、国内債券は若干売却し、25%程度に戻す可能性があります。外国債券、国内株式、外国株式については大きく動かすことはなさそうです。
ただ、株式相場が一段と下落した場合には、国内債券売り、国内株買いに動くことも想定されます。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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