来週の金融市場見通し(2018年9月17日~2018年9月21日)
■来週の見通し
米政権が中国に貿易問題をめぐる閣僚級協議再開を提案したとの報道を受け貿易摩擦への過度な警戒感が、またトルコ中銀が予想を上回る利上げを決定したことから新興国に対する過度な懸念も後退し、市場はややリスクオン(選好)に傾いています。来週は自民党総裁選が予定されており、安倍首相3選ならリスクオン継続との見方もできます。とはいえ、米通商政策などには引き続き注意が必要です。
◆株価 : 明確な方向感を欠く展開に
日経平均株価は2万3千円を挟み上下する展開が予想されます。貿易摩擦問題では米中の協議が再開される見込みとなり、対立が直ちにエスカレートする懸念は一旦後退しました。しかし、米中の摩擦が短期間で解決へ向かう可能性は低いと考えられます。また、日米の摩擦が強まる恐れもあります。加えて、アルゼンチンなどをめぐる通貨危機不安も残っています。一方で、円高圧力がひとまず和らいだことが日本株を支えると見込まれます。
◆長期金利 :レンジ継続
長期金利は0.11%前後での非常に狭いレンジの動きが続いています。米長期金利は、米中の通商問題をめぐる思わくや、トルコ中銀の利上げを受けた新興国不安後退などから2.9%後半まで上昇しましたが、国内債は反応薄。日銀の国債買入れオペのオファー金額は変更なしで、動くに動けない状況が続いています。18、19日の日銀金融政策決定会合は現状維持の見込みですが、黒田日銀総裁の発言などで居所を探ることになりそうです。
◆為替 : ややドル優勢だがレンジ継続か
米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測を背景にドル円の下値は限られそうです。また、米国が中国に対して新たな通商協議を提案したこともドル円の下支え要因です。一方13日にトルコが利上げを行い、短期的に安心感は出たものの、新興国経済の混乱は継続しており、リスクを取りにくい環境が続きそうです。21日に日米通商協議が控えていることもドル円の上値を抑えるでしょう。111円を中心としたレンジ継続を想定しています。
◆Jリート : 株価や金利をにらみながら、上値を探る
Jリートは、利益確定売りに押される場面はあるものの、株価の下落局面では逃避資金が流入するなど下値も堅く、一進一退の中、底堅い動きが続いています。8月の投資主体別売買動向で、銀行(日銀を除く)が買い越しに転じたことは安心材料。8月末の東京都心のオフィス平均賃料が56か月連続で上昇するなど、オフィス需要が堅調な中、予想分配金利回りは4.2%弱と高い水準。底堅い動きの中、上値を探る展開が続きそうです。
■来週の注目点
自民党総裁選挙 9月20日(木)投開票
事実上首相を決める選挙である自民党総裁選は、安倍晋三現首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなります。世論調査によると両氏の支持率に大差はないものの、自民党支持層に限れば安倍氏への支持が石破氏への支持を圧倒しています。総裁選は自民党に属する議員や党員らの投票によるため、安倍氏の勝利はほぼ確実とみられます。
安倍氏が圧勝し首相続投となった場合、政権の安定性や金融緩和策の継続に対する期待などから、日本の株式市場は一旦ポジティブに反応する可能性が高そうです。
ユーロ圏製造業PMI(9月) 9月21日(金)午後5時発表
8月のマークイットユーロ圏総合PMIは54.5と前月から上昇し、今年第1、2四半期に見られたペースでの景気拡大が継続していることを裏付けました。一方、製造業PMIは54.6と先月の55.1から悪化し、足下の製造業の減速感はぬぐえませんでした。製造業PMIの構成項目である輸出向け受注指数が2年ぶりの水準まで低下しており、目先輸出が増加する可能性は低そうです。先月一旦持ち直しの動きが見えた製造業の先行きは再び不透明感に包まれていますが、来月も両数値とも前月と同程度の結果を想定しており、域内経済が現在も緩やかながら拡大していると考えています。
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