来週の金融市場見通し(2018年4月23日~2018年4月27日)

■来週の見通し

日米首脳会談では、トランプ大統領は巨額の対日貿易赤字に懸念を示したものの、強硬な姿勢はみられませんでした。他方、次の国務長官に指名されたポンペオ氏が、金正恩委員長と会談したと伝えられ、北朝鮮問題をめぐる警戒が後退しました。来週は、国内で企業決算発表が本格化します。日銀金融政策決定会合は現状維持の見込みですが、展望レポートでの経済見通し、黒田総裁の会見も確認したいところです。

◆株価 : 決算にらみ

日米首脳会談では、貿易不均衡是正にむけた強硬姿勢がみられず、安心感が広がりました。円安をけん制する発言もなく、日経平均株価は2万2,000円台を回復しました。北朝鮮問題への懸念後退も安心材料。来週は、本格化する企業決算にらみ。保守的な業績見通しが示される可能性はあるものの、ドル円が一旦底打ちしていることから、底堅い動きになりそうです。ただ、国内の政局不安や利益確定売りが広がることには注意が必要です。

◆長期金利 : 0.05%前後でのもみ合い

長期金利は狭いレンジでの動きが続いていましたが、週末には20年国債入札の不調を受け、0.055%まで上昇。20年債利回りが一時0.495%、30年債利回りが0.695%と、約1年4か月ぶりの水準まで低下したことで、低下し過ぎへの警戒感が強まった模様です。日銀金融政策決定会合は、現状維持の見込み。強力な金融緩和が継続する見込みですが、展望レポートで物価目標の達成時期が先送りされるかどうかなども確認したいところです。

◆為替 :  円安地合いも上値は重そう

シリアへの米国などによる攻撃が短期で終了し、中東の地政学リスクが後退したこと、日米首脳会談において、トランプ大統領から強硬発言がなかったことなどからドル円は底堅い動きとなっています。また、好業績を背景に米株が上昇していることもあり、リスク選好の動きがやや優勢になっていることから、ドル円はしばらくは底堅い動きが想定されます。一方で108円に近づくと実需のドル売りが上値を抑えると思われます。

◆Jリート :  戻りを探る

東証REIT指数は週初こそ下落しましたが、以降は4営業日続伸し、1,710ポイントまで上昇。日米首脳会談や北朝鮮情勢への警戒が後退し、投資家心理が回復したことを背景に、買いが広がった模様です。3月の売買動向で海外投資家の買いが継続するとともに、投資信託からの売りが大幅に縮小したことも安心材料。利益確定売りに押される場面もありそうですが、予想分配利回りも4.1%強と高い水準にあり、底堅い動きが見込まれます。

来週の注目点

日銀金融政策決定会合 4月27日(金)午後に結果発表

今回の会合では、政策の現状維持が見込まれます。足元の物価上昇率は1%前後と、デフレ(持続的な物価下落)とは言えない状況です。ただ、日銀の物価目標(2%)は下回っているため、現行の緩和策を続ける旨が示されそうです。また今回の会合では、3月に就任した若田部副総裁の見解が注目されます。同副総裁は積極的な金融緩和論者であり、今回の会合で追加的な金融緩和を主張する可能性があります。ただ、超金融緩和の弊害に鑑みれば、日銀が年内に追加緩和を行う可能性は低いとみられます。

米耐久財受注(3月) 4月26日(木)午後9時30分発表

2月の米耐久財受注は、民間航空機や、特に軍用機など国防関連の受注の大幅な伸びが寄与したことで、市場予想を上回り、前月比3.0%増となりました。また、航空機など輸送機器を除く受注も同1.0%増と市場予想を上回りました。

3月は、航空機および輸送機器はもともと変動が大きく、2月の反動で輸送機器の若干の受注減少が見込まれ、前月比1.0%程度の伸びを想定しています。また、米国景気拡大は継続しており、設備投資や鉱工業生産は底堅い動きとなっていることから、輸送機器を除く耐久財受注は同0.5%増とプラス圏での推移を想定しています。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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