来週の金融市場見通し(2017年9月11日~2017年9月15日)

■来週の見通し

引き続き米政治の混迷が懸念されるものの、財政問題については、連邦債務の上限を12月8日まで引き上げる方向で調整中です。このため米国債のデフォルト(債務不履行)は当面、回避される見込みとなったことから、金融市場に相応の安心感を与えそうです。ただ、問題の先送りにすぎないため、それだけで株価が上昇し続けるとは考えにくいでしょう。北朝鮮問題や米国のハリケーン被害への警戒感も、市場心理を圧迫しそうです。また、金融政策については、米国の年内利上げは見送られる可能性が徐々に高まっています。これは米国株にはプラス材料となる一方、ドル安・円高を促す可能性があります。

◆株価 : 慎重ムードは残る

日本株は、持ち直しの動きが予想されるものの、慎重ムードは残存し続ける見込みです。米国債のデフォルトリスクが一旦後退したことは、市場の過度な不安を和らげるでしょう。今後は、世界的な景気拡大傾向や、依然として緩和的な主要国の金融政策が日本株を支える見通しです。ただ、北朝鮮情勢が意識されているほか、米国の利上げが鈍化するとの観測に伴いドル高・円安へ振れにくくなっています。そのため日経平均株価は、2万円台回復を前に足踏みしそうです。

◆長期金利 : 一段の低下も

日本の長期金利(10年債利回り)は、低水準での推移が続く中、マイナス圏への再突入も想定されます。米国では、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測などを背景に、10年債利回りが、約10か月ぶりの水準へ低下しています。また、7日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、テーパリング(資産買入れの縮小)に関し、明確な方針が示されませんでした。これらより世界的に金利低下圧力が優勢となる中、日本の長期金利も一段の低下が想定されます。

◆為替 : 神経質な動き

為替相場は、米国の政治・経済や各国の金融政策、北朝鮮情勢を注視しつつ、神経質な動きとなりそうです。FRBの利上げ鈍化や北朝鮮問題は、ドル安・円高要因と考えられます。ただ、米国のデフォルトリスク後退などを受けリスク回避ムードがやや和らぐとみられる中、一方的な円高は想定しにくいでしょう。また、北朝鮮問題については、武力衝突へ発展する可能性は極めて低いとみられます。よって、北朝鮮の行動に対する市場の反応は、一時的なものにとどまる見込みです。

来週の注目点

米小売売上高(8月) 9月15日(金)午後9時30分発表

米国の小売売上高は、7月に前月比0.6%増と今年最大の伸びを記録した後、8月は同0.3%程度の増加が見込まれます。

米国では個人消費主導の景気拡大が続いています。ただ、賃金の伸びが鈍い中、最近の消費増加は、貯蓄の取崩しや借金によって支えられている面もあります。そのため、消費増加の持続性については、必ずしも楽観できない情勢です。

金融市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げに関し、懐疑的な見方が増えつつあります。とはいえ、今回の小売売上高が極めて堅調な結果となった場合、年内の利上げ観測が再び強まり、ドル安・円高を抑制すると見込まれます。

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