来週の金融市場見通し(2017年2月6日~2017年2月10日)
■来週の見通し
日銀金融政策決定会合、米公開市場委員会(FOMC)は現状維持。ただ、日銀は展望レポートで、2018年度までの成長見通しを引き上げました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は、FOMCの声明文に「消費者と企業の景況感に関する指標は最近上向いた」という文言を加え、日米共に金融当局者の目線はやや上向きになった格好です。来週は10日に日米首脳会談が予定されています。トランプ大統領は、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱に関する大統領令に署名するとともに、日本の通貨安誘導を批判しています。為替や通商政策などについての協議を確認するまでは、神経質な展開が続きそうです。
◆株価 : 一進一退
トランプ氏の大統領令や発言に振らされる展開が続いています。同氏がイスラム圏7か国からの入国を一時禁止する大統領令に署名したことを受け、移民政策への警戒感が広がりました。また同氏の円安批判を受けてドル安・円高が進行し、日経平均株価は1万9,000円を割り込みました。来週もトランプ氏の動向にらみ。10日に日米首脳会談を控え、動きにくい相場が続きそうです。山場を迎える16年10-12月期の企業決算を確認しながら、10日の会談を待つことになりそうです。
◆長期金利 : 0.11%が上限
日銀金融政策決定会合は現状維持で相場への影響は限定的。ただ、日銀が国債買入れを減額するとの懸念や金利上昇を容認しているとの見方が広がり、2日には長期金利は0.1%を上回りました。3日には一時0.15%まで上昇したものの、日銀が利回りを指定して国債を無制限に買い入れる指し値オペを実施したことから、0.1%前後に戻る動きに。指し値オペの対象となった10年債利回り(長期金利)の水準は0.11%。この水準を上限としたプラス圏での動きが続くとみられます。
◆為替 : 神経質な動きが継続
ドル円はトランプ氏の発言や日銀の国債買入れをめぐる不透明感などで荒い展開が続きました。トランプ氏の移民政策への警戒から投資家のリスク回避姿勢が強まり、逃避通貨とされる円を買う動きが優勢になる中、同氏が「中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と強く批判したことを受け、ドル円は一時112円前半まで下落しました。国内金利の上昇も、円高要因。来週も、トランプ氏の言動をにらみながらの、神経質な展開が続きそうです。
■来週の注目点
毎月勤労統計(12月) 2月6日(月)午前9時00分発表
毎月勤労統計によると、昨年11月の現金給与総額(一人あたり名目賃金)は前年比0.5%増となりました。また、名目賃金をインフレ率によって調整した実質賃金は11月に同0.0%増と、2か月続けて横ばいとなりました。
昨年冬のボーナスは小幅な伸びにとどまった模様である一方、インフレ率は徐々に高まっています。これらを受け、12月の実質賃金は前年比で小幅なマイナスを示すものと見込まれます。
ただ、名目賃金は緩やかな回復が続く見通しです。そのため、一段の円安や原油高でインフレ率が急激に上がらない限り、今年中に実質賃金が極端に落ち込むとは考えにくいでしょう。
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