来週の金融市場見通し(2016年12月26日~2017年1月6日)

■来週の見通し

日銀は金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めました。長期金利目標の引き上げについては、黒田日銀総裁は「海外金利の上昇に応じて長期金利目標を引き上げることはない」と断言、為替水準については「驚くような円安水準とは思っていない」とし、市場に安心感が広がりました。来週は申(さる)年の最終週。再来週から酉(とり)年が始まります。“申酉騒ぐ”との格言通り、16年は英国の欧州連合(EU)離脱選択、米大統領選でのトランプ氏勝利など波乱の年でした。年明け1月20日にはトランプ氏の米大統領就任を控えます。トランプ相場が腰折れすると、酉が騒ぎ出す局面も想定されます。

◆株価 : 高値もみ合い

日経平均株価は一時1万9,500円を超えたものの、円安進行が一服したことから、利益確定売りに押され、やや上値が重い展開になりました。過去5年間では、年末までの5日間の株価は、上昇4回、下落が1回と上がりやすいものの、年初3日間は上昇1回、下落が4回。15年、16年は軟調スタートだっただけに、17年は堅調なスタートを期待したいところ。円安水準で推移していることや、日銀が緩和姿勢を維持していることは支えですが、トランプ氏就任までは動きにくそうです。

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◆長期金利 : レンジ継続

16日には一時0.1%まで上昇した長期金利ですが、黒田日銀総裁が物価目標達成までは緩和政策を維持する姿勢を示し、ゼロ%程度としている長期金利目標の引き上げを否定したことから、22日には0.05%程度まで低下しました。来年度の国債発行計画では、市中発行額が今年度の147兆円から141.2兆円に、5.8兆円減額されたことも安心材料。政府(国債発行減額)・日銀(イールドカーブ・コントロールによる国債買入れ)が需給両面から債券市場を支えることになります。

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◆為替 : 一進一退

ドル円は、米金融当局の利上げや政策金利見通しの引き上げを受け、118円台まで上昇したものの、今週は上値の重い動きになりました。一時2.6%台に乗せた米長期金利も2.5%台に戻っており、日米金利差からはドル円は上値を追いにくい状況。過熱感からスピード調整が入ることには注意が必要です。もっとも、利上げ局面にある米国に対し、日銀が緩和姿勢を堅持していることに加え、黒田総裁が円安を容認する姿勢を示していることから、ドル高・円安地合いには変化はなさそうです。

※予想レンジについては、現在見直し中につき表記しておりません。

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来週の注目点

米雇用統計(12月) 1月6日(金)午後10時30分発表

雇用統計では、総じて底堅い結果が示される見込みです。

米連邦準備制度理事会(FRB)は12月、約1年ぶりの利上げを決めました。2017年の利上げペースを見定める上で、雇用統計は引き続き極めて重要な指標です。

ただ、米国はすでに完全雇用(働く能力と意欲のある人が皆、職に就ける状況)に近いことから、雇用の改善ペースは鈍化する可能性が高いでしょう。これを今後、FRBやトランプ次期政権がどのように評価するかが注目されます。

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