来週の金融市場見通し(2016年11月28日~2016年12月2日)
■来週の見通し
NYダウは19,000ドルに乗せて過去最高値更新、米長期金利は一時2.4%まで上昇と、トランプ相場が続いています。ドル円は114円に迫り、日経平均株価は終値での年初来高値をザラ場で一時上回りました。もっとも、トランプ次期米大統領の政策のいいとこ取りで、短期的な過熱への警戒感もくすぶります。来週は、30日に石油輸出国機構(OPEC)総会が開かれます。主要産油国が減産で合意できれば安心感が、合意に至らなかったら失望売りが広がる可能性があります。週末に米雇用統計、12月4日にイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票を控え、様子見姿勢が広がることも想定されます。
◆株価 : そろそろスピード調整も
トランプ氏の政策への期待から株が過去最高値を更新するなど、投資家のリスク選好が強まる中、ドル円の大幅上昇を好感し、日経平均株価は一時1万8,482円と、節目の1万8,500円に迫りました。トランプ氏への警戒から一時14倍を割れた予想株価収益率(PER)は、足元では業績期待から15倍半ばまで上昇しています。もっとも、騰落レシオは130%を超え、短期的な過熱感が強まっています。トランプ相場が続いていますが、そろそろスピード調整が入る可能性もありそうです。
※予想レンジについては、現在見直し中につき表記しておりません。
◆長期金利 : 低位もみ合い
長期金利はプラス圏での推移が続いています。米長期金利や株価の上昇を受け、25日には一時0.045%まで上昇しました。2年債、5年債は、日銀の指し値オペ(公開市場操作)で、日銀が適切と考える利回りの上限の目安が示された格好ですが、長期金利の上限や20年債などの超長期債の利回り水準については、まだ手探り状態。長期金利については、米金利をにらみながら日銀が適切と考える上限を探ることになります。12月1日の10年国債入札も注目されます。
◆為替 : ドル高地合いも欧州不安を警戒
ドル円は、米金利の上昇や利上げ観測の強まりから、一時114円に迫りました。トランプ氏は米企業が海外資金を米国に戻す際の税率を10%に軽減することを公約に掲げており、海外資金の米国への還流期待もくすぶります。ただ、4日のイタリアの国民投票で憲法改正が否決されると、レンツィ首相が辞任するなどイタリア政局に混乱が広がることが想定されます。投資家心理を冷やし、逃避通貨である円を買う動きが強まる可能性があり、徐々に様子見姿勢も広がりそうです。
※予想レンジについては、現在見直し中につき表記しておりません。
■来週の注目点
米雇用統計(11月) 12月2日(金)午後10時30分発表
米国の非農業部門雇用者数は、10月に前月比16.1万人増となった後、11月も底堅い増加が見込まれます。また、失業率は5%以下の低い水準が見込まれます。さらに、平均時給についても安定的な伸びが示される見通しです。
好調な雇用情勢を背景に、12月13、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、利上げが行われる可能性があります。
ただ、11月の大統領選で大方の予想に反しドナルド・トランプ氏が勝利したことを受け、米国経済や金融市場の先行き不透明感が高まる可能性があります。そのため、雇用統計の結果にかかわらず、利上げについては、慎重な判断が求められます。
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