来週の金融市場見通し(2016年10月17日~2016年10月21日)
■来週の見通し
中国の9月の貿易統計で、ドルベースの輸出は前年同月比10.0%減、輸入は1.9%減と予想より下振れし、世界経済の先行き懸念が強まる格好となりました。来週19日に発表される中国の7-9月期の国内総生産(GDP)で、底堅い成長を確認したいところです。また同日、最後となる米大統領選テレビ討論会にも注意が必要です。他方、20日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、2017年3月が期限となっている資産購入プログラムを6か月延長するとの見方が大勢となっています。ただ、テーパリング(資産購入の段階的縮小)が示唆された場合には、金融市場が不安定になる可能性があります。
◆株価 : 一進一退
日経平均株価は1万7,074円まで上昇したものの、利益確定売りに加え、中国の輸出入が下振れしたことが重しになり、前週比では若干の下落となりました。来週は、為替の動向に加え、米中の経済指標、米大統領選テレビ討論会、ECB理事会などをにらみながら、方向感を探る展開となりそうです。ドル円が104円前後まで上昇していることは安心材料。もっとも、今月下旬に本格化する国内企業の決算発表待ちで、上値追いには慎重な姿勢が継続する可能性があります。
◆長期金利 : レンジ継続
30年国債入札が良好な結果になり、債券市場は小じっかりの展開となりました。20年国債利回りは0.4%程度、30年国債利回りは0.5%程度が一応の目安となりつつあります。長期金利はマイナス0.06%を挟んでのもみ合いに終始しています。米国では年内の利上げ観測から、ドイツはECBのテーパリングへの警戒から、国債利回りがじりじりと上昇していますが、国内の長期金利は日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の下、マイナス0.1%~0.0%のレンジが継続しそうです。
◆為替 : ドル高地合いも、上値は重いか
9月の米雇用統計では雇用者数の伸びが予想を下回ったものの、年内の米利上げ観測は変わらず。加えて、米大統領選テレビ討論会でクリントン氏優位との評価となったことも手伝い、ドルが堅調な動きになりました。ドル円は、一時104円60銭強と、9月2日の高値を上回り、ドル高・円安地合いが継続しています。もっとも、金融市場は年内の米利上げをおおむね織り込んできており、徐々に上値が重くなる可能性があります。また、中国不安が広がると、円買いが強まる可能性も。
■来週の注目点
中国GDP統計(16/7-9月期) 10月19日(水)午前11時発表
中国の実質国内総生産(GDP)成長率は1-3月期、4-6月期とも前年比6.7%となった後、7-9月期も「6.5~7%」という政府目標に沿った成長率が示されそうです。
年前半の中国経済は、財政出動や金融緩和などに支えられ、底堅い成長を示しました。ただ、景気刺激策への依存が強まれば、過剰設備や企業負債の膨張、住宅バブルといった問題が悪化し、経済構造の改革が遅延します。
よって中国政府は一段の景気刺激策には慎重とみられることから、年後半のGDP成長率は、年前半をやや下回る可能性があります。また足元、輸出の低迷が示されているため、これを後押しすべく、緩やかな人民元安が容認される見込みです。
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