来週の金融市場見通し(2025年4月7日~2025年4月11日)

2025/04/04

■来週の見通し

トランプ米大統領は貿易相手国に同率の関税を課す相互関税の導入を発表しました。一律10%の関税を課したうえで、国・地域ごとに異なる税率を上乗せし、日本には合計24%の追加関税が適用されます。一律10%の関税は5日、上乗せ分は9日に発動します。相互関税が厳しい内容となり、景気悪化や貿易戦争への警戒が広がっています。今後は各国の米国との交渉を確認していく必要があります。来週もトランプ政権の政策に振らされる動きが続きそうです。3月の米消費者物価指数なども確認したいところです。

 

◆株価 :値動きが激しい展開か

今週の日本株は、トランプ政権の関税政策を受けて下落しました。週初は、先週トランプ政権が発表した自動車関税の引き上げが、自動車関連企業などの業績を悪化させるとの懸念が株価を下押ししました。4月2日にトランプ大統領が相互関税の詳細を発表すると、その規模が事前の予想を上回る内容であったことから、投資家心理が悪化し、週末にかけて一段と株価は下落しました。

来週は、相互関税の発動が予定されているほか、今週末にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演や米雇用統計の発表があり、重要なイベントを受け、値動きの激しい展開が予想されます。関税への懸念から投資家心理が悪化していますが、土壇場で関税の規模縮小が決まると、株価を押し上げそうです。一方、貿易戦争がエスカレートした場合、株価は一段と調整しそうです。

 

◆長期金利 :不安定な動き

今週は、トランプ米政権による相互関税が世界景気の減速を招くとの懸念が強まったことを背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる国債が買われたことや、景気懸念に加え、金融・資本市場の混乱を受けて、日銀が追加利上げに動き難くなるとの見方から、長期金利は前週末の1.5%台半ばから、週末には1.2%を割り込む大幅低下となりました。10年国債入札も順調で期初の需要が確認されたことも金利を押し下げました。

来週は、上乗せ分の相互関税が発動し、内外の景気悪化が一段と意識されると、さらに金利低下圧力がかかることも想定されます。一方、関税への警戒が一旦落ち着き、低下し過ぎとの見方が広がると金利低下が一服する可能性もあります。関税を巡る交渉の進展や経済への影響などを確認しながらの、不安定な動きが続きそうです。

 

◆Jリート :下値目途を模索

今週のJリート市場は、米関税政策の詳細発表に伴う急速なリスクオフ圧力の高まりから、株式市場とともに下落しました。日米長期金利が大幅に低下したこともあり、下げ幅については株式市場より小幅にとどまりました。今週末の分配金利回りは5.164%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)でした。

来週は、日米長期金利の動向や米関税政策の影響を睨みながら、下値の目途を模索する展開となることを想定しています。米政権の関税政策の発動により、市場では当面リスク回避圧力が高い状況が継続することが見込まれるものの、引き続き5%超の予想分配金利回りに着目した一定の買いが下支え要因になると見込まれます。また、日米長期金利が急速に低下しており、Jリート市場の下押し圧力を緩和する可能性もあります。

 

◆為替:上値重い

今週のドル円は、トランプ大統領が対米貿易黒字の大きい約60か国・地域を対象に相互関税の詳細を公表し、日本には24%の上乗せ税率が適用されることとなりました。それを受け、世界的な景気減速懸念が高まったことから、リスク回避の動きが優勢になるとともに米長期金利が低下し、ドル円は一時145円台前半まで急落しました。

来週も今週の流れが続くことが見込まれ、ドル円の上値は重そうです。米国を含む世界的な景気後退懸念から、安全通貨とされる円を買う動きが優勢とみられることに加え、米景気の減速懸念を背景に長期金利は低下基調にあり、ドル円の上値を抑えそうです。他方、このような環境下、日銀の早期利上げ観測はやや後退することが想定され、ドル円の下支え要因となりそうです。

 

◆米国株 :米経済指標発表などに注目

今週の米国株は、トランプ政権が発表した相互関税の規模が事前の予想を上回る内容であったことが投資家心理を悪化させ、軟調な動きになりました。とくに、景気悪化の影響を受けやすい半導体関連株の下落幅が大きくなりました。

来週は、関税措置を受けたパウエルFRB議長の発言や雇用統計などの米経済指標発表を確認しながら、居所を探る展開が予想されます。足元、市場では年1%程度の利下げが織り込まれていますが、関税引上げによるインフレ上振れの恐れから、パウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示すと、株価を圧迫する恐れがあります。また、雇用統計が労働市場軟化を示唆する内容になると、市場は嫌気しそうです。ただ、トランプ大統領が関税措置の緩和を示唆した場合、株価は上昇する可能性があります。

 

 

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(3月) 4月8日(火)発表

景気ウォッチャー調査によると、2月の現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)は前月差-3.0ポイントと2か月連続で低下しました。物価高を背景とする家計の節約志向の強まりに加え、厳冬・豪雪といった天候要因による来客数の減少などを受けて、家計関連動向の指数が大幅に低下しました。

3月の現状判断DIは持ち直すことが見込まれます。天候要因による悪影響がはく落するほか、高い賃上げへの期待感から消費者マインドが改善する可能性があります。

 

米消費者物価指数(3月) 4月10日(木)発表

2月の米国の消費者物価指数(コアCPI、食品とエネルギーを除く総合)は、前年比+3.1%、前月比+0.2%と、ともに前月(同+3.4%、同+0.5%)から減速しました。住居費の伸びが鈍化したほか、運輸関連も大きく伸びが縮小しました。

3月のコアCPIは前年比+3.0%、前月比+0.3%程度の伸びが予想されており、前年比では緩やかに減速するとみられています。米国の個人消費が減速するなかで需給面からのインフレ圧力は落ち着く方向にありますが、3月時点では、中国、メキシコ、カナダ製品などに対する関税引き上げが発動していたため、一部の品目で関税コストを価格転嫁する動きが出てくる可能性があります。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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