来週の金融市場見通し(2024年2月5日~2024年2月9日)

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)は1月30、31日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合連続で政策金利を据え置きました。会合後の記者会見でパウエルFRB議長が、次回の3月会合までに利下げ開始を確信できるレベルに達する可能性は低いと述べたことを受け、3月の利下げ観測が大きく後退することになりました。来週は、2日発表の米雇用統計を受けた米金融市場の反応に加え、内外の経済指標や本格化する国内企業の決算発表などを確認しながら、方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :上値の重い展開が継続か

日経平均株価は海外投資家の資金流入により1月に一時37,000円に迫る水準に上昇した後、今週は高値警戒感から上値の重い展開が続いています。来週も、日銀の金融政策修正観測などが重しとなり、上値の重い展開が続きそうです。また、今週末の米雇用統計を受けて米金利が上昇すると株価を圧迫する可能性があります。ただ、来週に予定されているトヨタ自動車などの国内主要企業の昨年10-12月期決算が良好な内容になると株価を支えそうです。

◆長期金利 :居所を探る

日銀が公表した1月会合の「主な意見」で、マイナス金利解除などの金融政策の正常化に前向きな意見が目立ったことから、長期金利は一旦上昇しましたが、米金利の低下や10年国債入札が無難な結果となったことを受け、0.7%を割り込みました。ただ、日銀の政策修正も意識され、一段の低下は限定的となりそうです。来週は米雇用統計を受けた米金利の動きや、30年国債入札などを確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆為替下値模索、雇用統計で波乱も 

ドル円は、じりじりと下値余地を模索する展開となりそうです。堅調な米景気を示唆する経済指標が散見されていることから、米長期金利の低下余地は限定的とみられるものの、早期利下げ観測は強く、米長期金利は3.9%程度まで低下しています。それを受け、ドル円は下値余地を模索する展開となりそうです。とはいえ、日米金利差は依然、ドル円の強い下支え要因であり、1月の米雇用統計次第では波乱も想定される中、下値余地は限定的とみられます。

◆Jリート :戻りを探る

東証REIT指数は、日銀のマイナス金利解除の時期が近づいているとの見方から長期金利が上昇したのが重しになり、軟調な動きが続きました。ただ、週末は長期金利の低下を好感した買いや、値ごろ感からの買いも広がり、下げ幅を縮小する動きになりました。1,800ポイント割れの水準では割安感から、押し目買いが入ると見込まれ、また利回り面での投資妙味も高まることから、底堅い動きの中、戻りを探る動きになりそうです。

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(1月) 2月8日(木) 14時00分発表

景気ウォッチャー調査の現状判断指数(DI)は、12月に前月差1.2ポイント上昇の50.7と、4か月ぶりに50を上回りました。忘年会やクリスマス商戦が消費を押し上げ、家計動向関連、企業動向関連ともに上昇しました。

1月の現状判断指数は、横ばいとなりそうです。食品などの値上がりが消費を抑制することが見込まれるほか、大手自動車メーカーの不正問題の影響により自動車販売の低迷が予想されることが家計動向関連を押し下げそうです。

ISM非製造業景況指数(1月) 2月5日(月) 24時00分時発表

米供給管理協会(ISM)が発表した12月の非製造業景況指数は、50.6と前月の52.5から低下しました。米国のサービス分野の活動はかろうじて拡大を継続したものの、そのペースは大きく鈍化しました。同指数は50が活動の拡大縮小の境目とされています。

米連邦準備理事会(FRB)によるこれまでの大幅な金融引締めや経済の先行き不透明感、地政学リスクなどを受けて、サービス需要は徐々に軟化しており、今後の動向には不透明感が高まっています。1月の同指数は52.1程度を想定しています。

 

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