来週の金融市場見通し(2019年7月22日~2019年7月26日)
■来週の見通し
7月の米連邦公開市場委員会(FOMC、30-31日)を控え、来週はブラックアウト期間(関係者の金融政策に関する発言禁止)に入るため、米金融当局者の発言に振らされることはなさそうです。他方、米国に続き、国内でも決算発表が本格化します。日米の企業決算、米耐久財受注などを確認しながら、月末のFOMCを待つことになります。また、欧州中央銀行(ECB)の理事会では、利下げに一歩近づくかが注目されます。週末の4-6月期の米実質国内総生産(GDP、速報値)も確認したいところです。
◆株価 : 小幅な上昇を予想
日本株は小幅な上昇が予想されます。今年の日本株は、ほかの主要国と比べ精彩を欠いていますが、日本経済は緩やかながらもプラス成長を続けています。そのため、米中貿易協議の進展期待や世界的な金融緩和観測などを背景に、日本株を買い戻す動きが当面優勢になると見込まれます。ただ、円高の進行や日韓の貿易摩擦、日本の輸出不振などを踏まえれば、日経平均株価の上昇は小幅なものにとどまる見通しです。
◆長期金利 : 7月末のFOMC待ち
6月の米小売売上高が予想を大幅に上回ったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が大幅に利下げするとの観測が一旦後退し、米金利が上昇したことから、国内の長期金利は一時マイナス0.12%まで上昇。ただ、20年国債入札が順調な結果になったことに加え、米中貿易摩擦への懸念や米利下げ観測から、再び低下する動きに。月末にFOMCを控え、米金融当局者の発言も差し控えられることから、やや動きにくい状況が続きそうです。
◆為替 : ドル安地合いも下値は限定的か
米雇用者数の伸びが予想を上回ったことなどから、過度な利下げ期待は後退しているものの、パウエルFRB議長の議会証言等を受けて利下げ観測が再び強まっており、ドル円の上値は重い状況です。ただ、7月末のFOMCでの米利下げはほぼ織り込んでいることから、ここからの急激な下落は想定しにくく、下値は限定的と思われます。今後は、7月利下げ後の利下げ幅に関する思わくや米中貿易協議の進展度合いに左右されそうです。
◆Jリート : 高値もみ合い
東証REIT指数は利益確定売りに押されながらも、節目の2,000ポイントを上回って推移しました。超低金利が長期化する中、国内金融機関を中心に相対的に高い利回りに着目した買いが継続している模様です。主要国の中央銀行が金融緩和に前向きな姿勢を示す中、内外の金利が上昇しにくい状況が続く一方、Jリートの予想分配金利回りは3.7%台と依然として高い水準です。ただ、FOMCを控え、様子見姿勢も強まりそうです。
■来週の注目点
全国スーパーマーケット売上高(6月) 7月23日(火)午後2時発表
5月の全国スーパー売上高は前年比0.7%減と、4月(同1.0%減)に続きマイナスとなりました。5月については総販売額のうち6割以上を占める食料品が同0.6%減となったほか、衣料品が同1.9%減、家電製品が同6.8%減となるなど、総じて購買意欲の低迷が示されました。
今後も賃金の伸び悩み、食料品や日用品の相次ぐ値上げ、および10月に予定されている消費税増税などを背景に、消費者の節約志向は続くとみられます。そのため6月についても、全国スーパー売上高は前年比マイナスとなる見込みです。
米耐久財受注(6月) 7月25日(木)午後9時30分発表
5月の米耐久財受注は、民間航空機受注の落ち込みが響き、前月比1.3%減と市場予想を下回ったものの、設備投資の先行指標となる航空機など輸送機器を除く非国防資本財(コア資本財)受注が前月から持ち直し、同0.4%増となりました。
世界的な景気減速や米中貿易戦争にかかる不透明感が継続しているにもかかわらず、企業の投資が持ちこたえている様子がうかがえます。ただ、この持ち直しが一過性であるのか持続的なものであるのか、今後の推移が注目されます。6月は総合で前月比0.8%増、コア資本財で同0.2%増を想定しています。
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