来週の金融市場見通し(2019年4月29日~2019年5月10日)

2019/04/26

■来週の見通し

10連休中は、米国では米連邦公開市場委員会(FOMC)のほか、米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数、非製造業景況感指数、雇用統計の発表、また、アルファベット(グーグル)やアップルなどの決算発表が予定されています。FOMCは現状維持の見込みですが、米経済指標や米企業の業績次第では米市場が大きく動く可能性があります。連休明けには国内企業の決算発表が本格化します。

◆株価 : 海外市場を注視

10連休明けの日本株は、連休中の海外市場(特に米国株、中国株および為替)次第の展開となりそうです。米国株については、現段階で市場予想を上回る決算発表が目立つことから、連休中に急落する可能性は低いとみられます。ただし中国株は、景気の持ち直しを受け景気刺激策が縮小される、との観測などを踏まえると、調整を余儀なくされる可能性があります。また、日本が休場となる中、為替の不規則な変動にも要注意です。

◆長期金利 : マイナス圏で居所を探る

米長期金利が2.5%後半から2.5%前半に低下する中、国内の長期金利は僅かながら低下する動きになりました。日銀は金融政策決定会合で、2020年春頃まで現在の低金利を維持する方針を示しました。もっとも、日銀の2021年度の物価見通しは1.6%と2%の物価目標に届かず、超低金利政策は長期化する見通しです。ただ、日銀は一段の金利低下は望んでいないとみられます。長期金利はマイナス圏の狭いレンジでの動きが続きそうです。

◆為替 :  レンジ継続

ドル円はここのところ狭いレンジ内での推移が続いています。日本の10連休中、米雇用統計の発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要なイベントが予定されていますが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策方針に顕著な変更があることは想定しておらず、米長期金利に大きな影響はないでしょう。米株価が急落しない限り、引き続き110円から112円半ば程度のレンジ内での方向感の乏しい展開を想定しています。

◆Jリート : 高値もみ合い

東証REIT指数は、長期金利がじりじりと低下する中、分配金利回りの高さに着目した買いなどから、月末には一時1,901ポイントまで上昇。ただ、その後は利益確定売りが優勢になり、上げ幅を縮小しました。日銀金融政策決定会合では、少なくとも来年春頃までは、超低金利を維持する方針が示されました。Jリートの予想分配金利回りは3.9%台半ばと相対的に高い水準。底堅い動きの中、上値を探る展開が続きそうです。

来週の注目点

毎月勤労統計(3月) 5月10日(金)午前8時30分発表 

毎月勤労統計調査によると、2月(確報値)の従業員1人あたり名目賃金は前年比0.7%減と、2か月連続でマイナスとなりました。また、物価上昇分を調整した実質賃金は同1.0%減と、これも2か月連続のマイナスを示しました。

賃金引上げの動きが鈍い中、3月以降についても、名目・実質ともにマイナス基調が続くものと見込まれます。ただし、本統計で発表される賃金伸び率は、調査対象企業の入替えなどのため、特に昨年以降、実態を正確に表しているとは必ずしも言えなくなっている点に注意が必要です。

米雇用統計(4月) 5月3日(金)午後9時30分発表

3月の米雇用統計において、非農業部門就業者数は前月比19万人6,000人増と市場予想を上回った一方、今後のインフレ動向を占う上で重要な平均時給は前年比で3.2%上昇と市場予想を下回るとともに前月より伸びが若干鈍化しました。また、失業率は3.8%と前月変らずとなりました。

賃金の伸び鈍化はインフレがこの先一段と抑制される可能性を示していますが、失業率が歴史的低水準にとどまっていること、雇用者数の伸びは堅調さを維持していること等から、今後も個人消費は底堅い推移となると考えています。4月の非農業部門就業者数は前月比18万人程度の増加、失業率は3.8%、平均時給は前年比3.3%程度の上昇を想定しています。

米消費者物価指数(4月) 5月10日(金)午後9時30分発表

米国の消費者物価指数(CPI)は、3月に総合CPIで前年比1.9%上昇と前月より伸びが加速し、昨年12月以来の伸びとなりました。また、食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比2.0%の上昇となり、市場予想を下回るとともに前月より伸びがやや鈍化しました。

総合CPIは今年に入ってからの原油価格の上昇が反映されていると思われます。コアCPIでは住居費は上昇が継続している一方、被服費や中古車価格は低下しました。今後もインフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)の目標(2.0%)付近で安定的に推移すると考えています。4月は総合CPIで前年比1.9%、コアCPIは同2.0%程度の上昇と3月並みの結果を想定しています。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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